季節を誤ったんじゃないかと思うくらい 柔らかな陽射ししが
軽やかに歩くひめを 照らし続けた。
まるで舞台を動き回る女優を照らし続けるスポットライトのように・・・
令和2年 1月16日
1月中旬ともなれば節分にむけて 一番寒い時期だ。
散歩コースのこの海岸道路も 本来なら 真っ白な雪に覆われて
鉛色の空の下を 白波の立つ寒々とした海を横目に
転ばないように気を付けながら
何処のだれかと思われるくらいの 防寒の重装備で
白い息を吐きながら ただただ黙々と歩いていく
そんな お散歩の日々のはず。
くもの切れ間から覗く 青空は 海面の色までも変えていく。
・・・そろそろ このあたりかな・・・
3月で7歳になるひめには 毎日のように 写真を撮る私の行動が
分かってるみたいで 歩いていると アイコンタクトで
私と目があうと 自分から立ち止まってくれるのだ。
見事なまでのカメラ目線。
カメラ越しに見えた ひめの背後に 人の気配。
緩いパーマのかかったライトブラウンヘア 少し丸みがかった背中は
中年女性というところか・・・
近づいてみると かわいらしいピンクのレジャーシートを わざわざ敷いて
熱心にスマホを操作している
この行動もまた今の時期には 考えられない行動なのだ。
石段から しんしんと冷たさが体に伝わり 寒くてじっとしていられないはずだ 本来なら。
わざわざ レジャーシートを広げるなんて 最初からここで 海を眺めながら
スマホいじりを楽しもうと やってきたにちがいない。
それほど 暖かいということなのだ。
枯れ切った芝生の上で 楽しそうに後ろ足で土を蹴るひめも
また この暖かさに 開放的な気分になったんだろう・・・
こうして気持ちよくお散歩も終え 帰宅すると
私の緊張の時間が訪れる。
私がキッチンに立つと どこからともなく やってくるひめ。
冷蔵庫の野菜室から 野菜を取り出すと
すでに まな板の置いてあるとろこで 2本足で スタンバイ。
まな板と調理をする私との間に 入って 鼻先は まな板のすぐ近く・・
ネギや玉ねぎを切るときは 特に緊張する。
無理やりひめを 横に追いやって 切りはじめるが
うっかり下に落としたら最後 すっ飛んできて 食べてしまうので
なるべく まな板を からだから遠いところに置いて切ることにしている。
さてさて 次は グリルの下で待機される。
これまた 緊張しながら 手を滑ららせないように焼きあがった魚を
皿に乗せる。
次から次へと 私の行動を見透かしてるかのように 先回りされる。
先代Qooの時は 人間の食事がすむまでは 自分のごはんは
食べさせてもらえなかったので 家族が食事をする間
旦那の膝の上に乗っていても 食べずに我慢していたものだが
ひめには 通じないので
さっさとケージに入ってもらい そのためには ごはんも1番に食べることになるのだ。
飼い主が 年を重ねたぶん Qooより 甘いのかもしれない。
そんなひめも 3月には もう7歳というシニア年齢に入る。
以心伝心 阿吽の呼吸 で 分かり合えるようになってきた今日この頃
私たちと同じように ゆっくり 年を重ねていってほしい。
そう 今日のような 柔らかな陽射しのように・・・







