大阪摂津 東光院萩の寺⑤ 萩の庭に集う 白狐にまたがる「道了大権現様」


「道了大権現」は、白狐にまたがり右手に降魔の輪杖、左手に縛魔の剛縄をもち火焔を背にしているとても怪力な権現様だそうです。一部には「カラス天狗」とも記載されている場合もあるようですが、修験道の奥義を極めた室町時代の禅僧で、神変自在の神力を持っていたそうです。

道了大権現は、名を妙覚と号し、修験道の奥義を極め、神変自在の神力を現した室町時代の禅僧で、小田原の大雄山最乗寺の開山・了庵慧明(りょうあんえみょう)禅師に随身していましたが、応永18年(1411)了庵禅師遷化の翌日、山門守護を誓願、天狗に化身して神籍に加えられた仏様です。関東地方では「小田原の道了さん」と呼ばれ、畏敬され信仰されています。

 

道了大権現石仏像  平成22年9月23日 建立開眼 

了庵慧明(りょうあんえみょう)禅師六百回大遠忌記念として建立

天正18年(1590)年、豊臣秀吉公が小田原征伐の陣中にて夢告を受け、「両翼脱落」の奇瑞を得たことから、遠く大阪の発展を願って大雄山最乗寺より勧請されました。以来、「道了祭」は大阪の名物とされ、火神南神・火盗除災・心願成就の権現様として多くの善男善女の帰崇を集めている。

 

妙覚道了大権現尊像hは、明和7年(1770)年庚寅正月中院 大仏師・田中主水 彫造〈前住・大崇道豊代〉  白狐にまたがり、右手に降魔の輪杖、左手に縛魔の剛縄を握り火焔を背にした形相は気迫に満ちています。火神商神、火盗除災、心願成就に霊験あらたかな大権現様です。

 

お祀りしている道了堂は、寺伝では小田原藩の寄進で大阪市内玉江橋付近に建てられたものを移築したもので、『拝津名所圖繪檜大成』に「道了権現祠 右同所東小田原御蔵やしき内にあり霊験いやちこなりとて詣人絶えることなし」という記事がそれに該当し、明治36年に中津本院を経て、豊中の現在地に移築されました。

 

道了大権現堂(どうりょうだいごんげんどう)
道了大権現は、名を妙覚と号し、修験道の奥義を極め、神変自在の神力を現した室町時代の禅僧。天狗に化身して神籍に加えられた仏様です。関東地方では「小田原の道了さん」と呼ばれています。火神商神・火盗除災・心願成就の権現様。

 

妙覚道了(みょうかくどうりょう)は、室町時代前期の曹洞宗修験道。妙覚は字。出生地などについては不詳である。道了大権現・道了薩埵・道了大薩埵・道了尊などとも称される。

1394年応永元年)曹洞宗の僧了庵慧明最乗寺を開創すると、慧明の弟子であった道了はその怪力により寺の創建に助力。師の没後は寺門守護と衆生救済を誓って天狗となったと伝えられ、最乗寺の守護神として祀られた。庶民の間でも信仰を集めてが結成された。また、江戸両国などで出開帳が行われた。

 

 

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