あかるくずぶとく

あかるくずぶとく

関西にて役者として活動中、中嶋久美子(キャパシティせまめ ユニットまいあがれ)のブログです。
活動のご報告、日々のこと。書き綴ります。



ネコ・ザ・メタボと中嶋久美子による


滋賀発☆実験的コメディユニット

キャパシティ狭め


その名のとおりキャパシティは狭めで。基本的には1コインで。

実験的なパフォーマンスをしているユニットです。


コメディだけではなくダンスも芝居もいろいろやります。


ブログもあるよ→http://capa-sema.tumblr.com/


お問い合わせはこちら→ capa.sema@gmail.com




仲良しの有元さんに

「中嶋はゴールデンウイークはなにしてるの?」

とフワッと聞かれたのがいつ頃だったか。


有元さんは律儀な方なので、いかなるオファーもお電話で連絡をくださる。

そしてその前には必ず

「今から電話していい?」

という奥ゆかしい恋人のようなLINEをくれる。


「ミュージカルシーンに出て欲しいんやけど。

振り付けは小野村優ちゃん。後のメンバーは優ちゃんが呼びかけてくれている」


というオファーに返す返事で


「全員優ちゃんにあつめてもらえ」とお断りをした。


ダンスはもちろん大好きだが、かれこれ何年もまともにダンスのレッスンにも行っていない。

独特の一人芝居でしか舞台に上がっていない。

いよいよ体重も大台に乗ろうとしている。

なにも40代に指の先を引っ掛けた、顔も普通の私をわざわざ使うことはない。

シーンを華やかに彩ってくれる若くて美人でダンスの上手な人を1人でも多く舞台に上げなさい。

その方がきっと面白いはずだ。と丁寧にお断りをしたところ、電話の向こうの有元さんに

「そんなのはどうでもいい。カヨコの世界観を分かってくれている中嶋に出て欲しいんや!」

とド直球にお願いされた。

加えて、明るい楽しいシーンになるから、上手いとかでなく楽しく踊ってくれたらそれでいい。と。


とにかく過去にたくさん酒を奢ってもらっている恩があるのでひとつ引き受けることにした。



後日、SNSでダンスシーンのメンバーが発表されたとき、現役バリバリのみなさまの中に混ざれる気がせずすぐに有元さんに「話がちがうやないかい!」とLINEした。

有元さんも「こんなことになると思ってなかった」と言っていた。

それほどに豪華なメンバーだった。


余談ですが、SNSでの発表に際して自分の写真を用意してほしい、という指示があったのですが

本当に自分の写ったろくな写真が無くてなんとかかき集めたのがこの3枚








これは色んな方から

「もっとなんとかなったやろう」

と言われた。

まじでこれしか無かった。


まだこれからも役者を名乗るなら、年に一回はまともな顔の写真を撮っておこう。と反省した。


とかなんとか、文句ばっかり言っていたがやっぱりダンスは楽しい。

短いシーンだけれど優ちゃんが本当に丁寧に、外側からも内面からも何を表現したいかをわたしたちに伝えながら引っ張っていってくれた。


ミュージカルメンバーたちも本当に達者な人たちばかりで、1を聞いたら10も20も理解して補える人たちでとにかく集中して稽古は進んだ。


そして本番はご覧の通り、我々が登場すると笑いが起こる。二朗さんのやりたかったことはきっときちんと表現されていたと思う。


かれこれ10年以上の付き合いになるヨネちゃんからも

「くーちゃんってちゃんとダンスできるんや…」

と言われたのだからなんとかなっていたんだろう。

上手前のあたりで拘りの表現をしていたのも、ちゃんと見つけてくれた人たちがいたのでとても嬉しかった。


二朗さんとも度々話したことがあるのだが。

若い演劇人とはどこで知り合えるのだろうか?

もう若い演劇人なんて居ないのではないだろうか?

こんなにも手間のかかる、労力のかかる効率の悪いことをやりたがる若者なんてもう居ないのではないだろうか?


しかし今回たくさんのひとまわり以上年下の若い表現者の方々とご一緒できて、こんなにしっかりした人たちが演劇をやっていたのか。と驚いた。


1日目終了後は、彗星マジックの新しい劇団員の方々ともすこしお食事させていただき。

10年ちょっと前の自分自身もきっとそうであったように本当に若くて希望にあふれてキラキラしていた。


どうか悔いなく、楽しく演劇を続けて欲しい。

まわりには気の狂った先輩方がいる。

どうかしているけどきっと力になってくれる。

やりたいことを思いっきりやってほしい。

健康に気をつけながら。



そして中之島の本番の約1週間前

夜分に有元さんからLINEが届く。

「今電話大丈夫?」






もしあのタイミングでわたしが断ってたら、あの人たちどうするつもりだったんだろう???




札幌の上田龍成さんと、大平詩織さんが「次の場所までさようなら。」を上演してくださることが発表されましたね!


わたくしとしてはもうこのタイミングでこの流れのブログを書き切るしかない、という感じです。


SPR+の期間中に、TwitterX)でふんわりと「もう最後かな」とつぶやいたところ、次の日劇場入りしたときに小室さんがめちゃくちゃ寂しそうな顔で

……もうやらないんですか?」

と仰って。

ひょっとしたら小室さんは私よりも「次の場所」好きなんじゃないだろうか


あんな寂しそうな顔をしてくれる人がいる限り、いつだってやるぞ!という気持ちで居ようと決めました。


10年後でもできる方法は、きっとある。

たぶん。


札幌で上演してくださる大平さんは、きちんとバレエも踊れる女優さんとのことなので、きっと私にはできない「次の場所」をみなさんに見せてくれると思います。


さて、

自分の納得いく準備を重ね

本番をやり抜く為の稽古をし


何も怖くない状態で舞台にあがり

「あぁ!楽しかった!」

と舞台をおりたときに思いたい


ということで挑んだ「SPR+


結局のところ本番前には


どんなに深呼吸しても心臓はドキドキするし。

着替えるタイミングはちょっと早すぎたり遅すぎたりだし。

暗闇で口紅塗ってわけわかんなくなっちゃうし。

舞台に繋がる袖の入り口が分からなくて迷子になるし。

セリフ噛んだし。

序盤で足つったり。

舞台最前列で見てるのあれみうらさんじゃないの!?とか考えてたし。

(そっくりさんでした。)


全ての上演を終え、お向かいのだだっ広い公園で休憩してるときに二朗さんに

「どうだった?」

と聞かれたんですが。


私の口から

「最高でした!」


と出ることはなく


「昼の回らしい出来でした。」

みたいなことを言ったと思います。


なにも怖いものがなく、「ちょう最高でした」と言える日はたぶん、来ない。


どうしたって片足を現実に突っ込みながらしか舞台に上がれないわたしは、いつまでも怖がりながら舞台に上がるんだろう。


人前に立つことは勇気がいる。

毎度毎度、無けなしの勇気を奮い立たせて、振り絞って舞台に出る。


完璧にできたことも、満足したことも無いけど、手を抜いた事はない。


それで充分。


それではやっとこさ、これを書きたかっただけなのにこんなにも時間がかかってしまいました。


この度札幌に呼んでくださった

INDEPENDENT:SPR実行委員会のみなさま

実行に当たり様々な準備をして下さったスタッフのみなさま、関係者のみなさま本当にありがとうございました。


関西からも足を運んで下さったお客様

おかえりなさい、と喜んでくださった札幌のみなさま、ありがとうございます

とても心強かったです。


関西で応援してくださっていた皆様、稽古に力を貸してくださった演劇関係者のみなさま、ありがとうございました。


すっかり滋賀でのんびりしているので、引退したんかい、と思われることも度々あるのですが、特にそんなつもりもなく、他に面白いことがあるので今はそれをやっています。


わたしが米山真理とやっているユニット「まいあがれ」の二人芝居「なっぽん」(作、演 イトウワカナ)

を札幌で上演する野望がまだありますので、札幌へはまた行きます。


一人芝居も、また違う作品もやってみたいと思っています。

今だ!という時がきたらチャレンジしたいと思っています。


それでは、長々とお付き合いありがとうございました。





先日演劇仲間達と飲みに行ったところ

オイ、ブログどうなってんだ、と言われまして。


案の定失速に失速を重ねてすっかり今更感がすごいのですが、とにかく本番までの話は書ききりたいと思います。


ここまで放置した要因としては、本番が終わってすぐに購入したゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダムがとんでもなく面白いせいです。


さて。

演劇を楽しむためにたてた目標


①稽古は長期スパンで詰め込まない。

②稽古場の雰囲気は楽しく。

③本番前にとんでもない緊張をしない。


長年演劇を続けてきましたが、そのなかで

「あー本番チョー楽しかった」

って思ったことって本当に少ないんです。

いつだって本番は緊張するし。

失敗するし。

失敗しなかった本番もいつも失敗したらどうしようなんてばかり考えてるし。


他の役者のみなさんはどうなんでしょう?


私はどちらかというと稽古の過程が好きなんだと思います。


今回はすくなくとも、

「あぁ、いい本番だった。ベストを尽くした」

と、思いたい。


そのためには良いコンディションで本番を迎えねばならない。


本番を想定、いや、本番を上回る本番を想定した稽古をしよう!


ということで、たくさんの演劇人をお呼びして本番前稽古をしました。


なにせ演劇関係者がたくさん来ている客席は緊張しますからね!






しかし初日こそ緊張したものの、

2日目になるとわたしの好きな人たちがわたしの好きな演劇を見に来てくれるという、素晴らしい会になってしまい大変楽しい時間になりました。

ご参加くださった皆様ありがとうございました。


まいあがれ相方の米山真理が客席の一番後ろの端っこで見ててくれたり。

(本人はその頃ハマっていたAIイラストに写真を変換するシステムでバレリーナの写真を撮ることに夢中)


以下、参考画像




セレクションツアーでも彗星ポストグラフツアーでも一緒だった勝山さんが見ていてくれることなどを思うと、色んなことを思い出して大変胸が熱くなりました。


とにかく「人前でやったのだ!」という自信と、それなりにウケた!という自信をつけ

本番に対するネガティブな気持ちを払拭して本番に挑む………‼︎‼︎‼︎‼︎