私は、今までに癌に関する書物をたくさん読んできたし、独学で医学や薬学の勉強をある程度した。

とはいえ、大学で医学や薬学を習ったわけではないし、そもそも大学進学すらしていない。

だから、これから述べる内容については、改めてその正否を確認されてください。

そして、もし、これから述べるアイデアを活用したいと思われましたなら、専門的に必要な全ての検討や調査をしていただき、安全性を慎重にしっかり確認しながら、進められてください。



癌を治すのが難しいのは、浸潤・転移があるからだとよく言われる。

癌が周りに浸潤・転移していく時、間質を破壊しながら移動しないといけないわけだが、そのために間質の主成分であるコラーゲンを分解する酵素であるコラゲナーゼを使う。

私がかなり前に本屋で読んだ医学系の問題集に、“癌が浸潤する時に使うコラゲナーゼは、細胞膜に存在する膜型コラゲナーゼか、細胞外に分泌する分泌型コラゲナーゼかを調べる実験法を述べよ。”という内容の問題があった。

その問題集の解答には実験の方法しか書かれてなかったか、あるいは、私がそもそも解答まで読まなかったか、あるいは、その問題集には少なくともその問題の解答がなかったかのいずれかで、結局のところ、癌が使うコラゲナーゼは、膜型コラゲナーゼなのか、分泌型コラゲナーゼなのか、それともその両方を使っているのかわからなかった。

最近、インターネットで調べて、癌が膜型コラゲナーゼを使っていることを知った。

分泌型コラゲナーゼも使っているかどうか調べたが、それについて書かれた文献はなかったので、わからない。

膜型コラゲナーゼを細胞膜に発現している癌細胞に対して、どんな方法をとるのが効果的だろうか?

コラゲナーゼに結合してコラゲナーゼの働きを阻害するコラゲナーゼ阻害剤は、いくつかあるようだが、それは、癌の浸潤・転移を防ぐ決め手にはなり得ないようだ。恐らく、長期間浸潤・転移を防ぐためには、長期間コラゲナーゼ阻害剤を投与しなければならず、それでは生じる副作用も重大なものとなるからだろう。もしかしたら、短期間の投与でも重大な副作用が起こるのかもしれない。間質の中をパトロールのために遊走している白血球も膜型コラゲナーゼを発現しており、又、必要に応じて線維芽細胞も膜型コラゲナーゼを発現してそれが持つ役割を果たしているのだ。

膜型コラゲナーゼを発現している癌を退治するためには、膜型コラゲナーゼと反応してその結果、抗癌剤を生じさせるような物質は効果的だろう。この時、膜型コラゲナーゼは、その反応においても酵素として働いてもらうことになる。そして、おそらくは、反応する部位は、細胞膜を貫通して存在している膜型コラゲナーゼの内側部分の方が外側部分よりもよいだろう。

もし、その時生じる抗癌剤が細胞分裂時の癌に作用するものだった場合、膜型コラゲナーゼを発現している白血球や線維芽細胞への影響はどの程度のものになるだろうか?

組織中を遊走している白血球が必ずしも細胞分裂しているわけではなく、白血球にその種類の抗癌剤が存在している間に白血球が細胞分裂する割合が、白血球への影響の大きさを決める1つの要因となるだろう。

線維芽細胞が普段、静止しているのか、遊走しているのか、私はよく知らない。しかし、線維芽細胞がある場所に移動する必要が生じた時には、当然、その場所に向けて遊走することになる。その遊走中に細胞分裂するのかしないのか、又、目的場所に着いてから細胞分裂するのかしないのか、そして、それぞれ、細胞分裂する場合、どの程度するのか、私はよく知らない。しかしとにかく、線維芽細胞にその種類の抗癌剤が存在している間に線維芽細胞が細胞分裂する割合が、線維芽細胞への影響の大きさを決める1つの要因となるだろう。

膜型コラゲナーゼと反応してできる抗癌剤が、その癌特有の物質と反応して抗癌作用を発揮するのであれば、副作用は大抵の場合、より少なくてすむだろう。

もちろん、以上述べてきた物質を開発し、実際に投与するまでには、しっかりと安全性を確認しておく必要がある。