―――《Epilogue》―――
目が覚めると、見慣れない白い天井があった。でもそこに、見慣れた顔があった。
「蓮!?よかったぁ~!!」
寝惚けてぼんやりしているところで朝姫に突然ダイブされ、何がなんだか分からなくなる。
「もうあれから二日も寝てて、もし蓮が起きなかったら私・・・」
ここは病院の個室らしい。しかも朝姫曰く俺、二日も寝てた・・・。
・・・まさか、夢オチ?
「そこまで世界は優しくないわよ」
出入り口のところから声がする。
見ると白い寝巻き姿の華蓮が立っていた。
「だいたい、あたしまで生き返らせるってどういうこと?ヘルは『生きて償えって言ってた』って言ってたけど」
ヘルって・・・。ああ、多分リーゼのことか。こいつ北欧神話漬けだもんな。
ぽかんとした顔で朝姫が華蓮と俺を交互に見つめる。
「そのまんま。死んだら何も出来ない。だから生きて目に見える形で謝罪して償え。そうじゃなきゃ無責任だろ」
「それだけのためにあんたはただの人間になったのね。私が一番求めていたものを与えて」
「それも償いだ。人間はそんなに楽じゃないぞ?」
「・・・馬鹿じゃないの?」
「馬鹿で結構。とりあえず朝姫に謝れ。お前のせいで一番迷惑かかってたんだから」
「う・・・」
「いやいや、そもそもなんで華蓮がここにって言うか私の中にいないのって言うか」
朝姫は知らないのか、こうなった理由。
適当にかいつまんで説明するとなんか納得したんだかしてないんだか微妙な顔をされた。
「やっぱ、蓮って変わってる」
結局朝姫もその結論らしい。
「・・・朝姫、ごめんなさい、今までずっと」
突然口を開いた華蓮。朝姫はしばらくキョトンとして彼女を見ていたが、突然笑い出した。
「今更過ぎよ、それ。だからずっと今まで迷惑かけられたことだし、これからは私が迷惑かけてやるんだから」
あー。華蓮、ご愁傷様。こいつが迷惑かけるとか言ったら途方もないぞ。
まあ、それも償いの内、か?
「朝姫に負けんなよ、華蓮」
「ッ!?・・・な、なによっ!」
彼女の《最後の言葉》を思い出して付け加える。
華蓮自身もその意味に気付いたらしく、顔を赤くしてそっぽを向いた。
「なに?私が知らないうちになんか二人が親密になってる?」
なにやら勘違いした朝姫の追及にも、笑って返している。
勝つ負けるはともかく、二人は仲良くやっていけそうだな、と思った。