貫いた刃に血が纏わりつき、絡まる。
「やっぱり・・・あたしは、朝姫には、勝てなかった・・・か」
口の端と胸元から血を流して紡ぐその言葉は俺に向けられたものではなく。
虚ろな目で虚空を見つめたまま華蓮は光の粒となって風に溶けていった。
後には血に塗れた刃と、弱々しく明滅する赤い宝石のようなものだけが残っていた。
全ての力を使い果たした俺もその場に崩れ、仰向けに倒れこんだ。
辛かった。
せっかく生き残ったのに。
藍莉との約束も果たして朝姫も守りきったのに。
なんなんだよこの後味の悪さ。
薄気味悪い色だった空はいつの間にか元通りの色・・・と言っても時間が経ち、完全に夜になっていた。
そんな空から、魔法陣を作っていた魔力が赤い雪のように降り注いでいた。
ちゃんと、止まった。
あいつは、華蓮は嘘をつかなかった。
それだけが唯一の救い、か。
もう、いいよな。
俺は目を閉じ、体の力を抜いた。
無茶苦茶に魔力を使い、全身を焼かれて体は既に限界だった。
ルーンを刻むためにかなりの血を使ったし。
意識が遠のいていく。抗いがたい眠気。きっともう二度と目を覚まさない気がする。
ごめんな、朝姫。
―――世界が白く塗り潰された。
―――――――――――――《次回予告》――――――――――――――
夜が明け、朝が来る。
そして、日常へ還るとき。
次回、最終回。「閉幕」