Blood・Edge第壱話。 | Alicerhythm

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イラストや小説、その他興味を持ったものを手当たり次第創作にチャレンジしてみたい人のブログ。
私が描いたり書いたりしたものを違うジャンルで形にしてくれる刺激的な相方を絶賛募集中です。厨二とかV系風味とかゴスロリとか魔術的とか・・・そんなのばっかりですけどね。

BloodEdge

第一話 「黄昏が告げる始まり」





――――――目が覚めるとそこは誰もいない教室だった。日もほとんど落ちていて、教室は不気味に薄暗い。

「あ、起きた?おはよう蓮」

急に後ろから声をかけられ、思わずビクッとしてしまう。が、その人物が見知った顔だったので少しホッとする。

「なんだ、朝姫か…」

「なんだ、って…。寂しいこと言わないでよ」

こいつは霧島(きりしま)(あさ)()。学校一の美少女と評判である。

しかし昔からの幼馴染で本質をよく知る俺に言わせればこいつ以上に厄介な女を俺は知らない。

我侭と好奇心をそのまま体現したような性格。おまけに外見は良いから(悔しいが、それは認めざるを得ない)何をしても大概許されてしまう。理不尽にも。

ちなみに彼女が俺に絡んでくるときは大抵変なことに巻き込まれたりする。おかげで万年帰宅部のくせにそこいらのオカルト研究部員より超常現象に見舞われている。

何も有難くないが。

…幽霊屋敷に行って本当に『出た』ときは本気で泣くかと思ったが、それは別のお話。

というか俺の口からは語りたくない。朝姫に聞いてくれ。

「で、どうした?また厄介事なら遠慮してくれ」

「残念、もう手遅れでした♪」

「なんでやねん」

思わず関西弁でつっ込む。

事情を聞くと、

○目が覚めたら朝姫と俺以外誰もいなかった。

○教室から出られない。(窓も鍵を開けても出入り不可)

○電気がつかない。

○携帯も繋がらない。

とのこと。

確認のため携帯を見ると圏外と表示され、電気はスイッチすら見当たらない。

窓は椅子で思いっきり殴ってもビクともしない。扉も同様。

完全な密室。しかも美少女(見た目)と二人っきり。

って俺は朝姫相手に何考えてんだっ。

「……ばか。すけべ」

「心読まれた!?」

「地の文に見せかけて思いっきりしゃべってたわよっ!」

朝姫はかなりギリギリな発言をしつつ教室の対角線側までにげる。…傷つくなぁ。

「これは100%あんたが悪い」

そんな訳でしばし落ち込んでいると不意に、ピンポンパンポーンと放送が入る。

『えー、学校内にいるみなさん。これから《とあるゲーム》に参加してもらいます。まず、教卓上にある黒い箱を開けてください』

そんなのあったっけ?と思いつつ教卓を見てみると、大きめの黒い箱が二つ並んでいた。

特に指定されていないようなので左側にあったやつを選び、床に下ろしてから開けてみる。

中には銀色のペンダントみたいなのが一つ。それだけ。何この意味のない箱のデカさ。

『中に入っているペンダントをつけてください』

言われたとおりにそれをつける。朝姫も同じようなペンダントを首にかける。

『さて、全員つけたようなので説明をします。これからするゲームは《殺し合い》です。今つけたペンダントは死ぬか、13組のペアの最後まで生き残るまで、はずせません。

ちなみにペアの片方が死ぬとペンダントでリンクして、もう片方も死にます。

期間は三日。つけたまま三日たつと、ペンダントの効力で強制的に体が自壊します。

ゲームが開始されると黒板に詳細なルールと現在残っているペアの名前、敷地内の地図が表示されます』

さて、三日間学校に監禁ということはその間飯はどうするんだ?というかゲームとかではありがちな話だけど実際にやったところで誰か得するのか?とか、現実逃避気味な思考をしていると、それに答えるかのように放送が続く。

『そしてこのゲームが終わるまで、つまりペンダントがついている間は食べる、飲む、寝るなど生理的に必要な行動はとらなくても問題ありません。殺しあう理由はゲーム終了後にでも、ゆっくり聞かせて差し上げあげましょう』

つまり、負けた人間は死ななきゃいけない理由すら知らず殺されるのか。えらく理不尽だな。

『それでは、健闘を祈ります』

―――ピンポンパンポーンという音を最後に、放送は終わった。


放送が終わった途端、教室の電気がついて、廊下やほかの教室も明るくなっていた。

そして、黒板にはいつの間にか白いチョークで地図やルールが書かれていた。

纏めるとルールはこんな感じ。

ルール113組のペアのうち、最後まで生き残った1組が勝者。

ルール2:ペアの片方の死亡と同時にもう片方も死亡する。

ルール3:期間は三日間。勝者が決まればその時点で終了。期限を過ぎた場合は全員死亡。

ルール4:殺害の手段は自由。武器も自由。

ルール5:行動範囲は学校の敷地内のみ。

ルール6:自殺は不可。


つまり自由になるためには他のやつらを殺すか、あるいは三日間うまく逃げ続けて他のやつらが全滅するのを待つか。

時間に制限があり、かなり運に頼るところがあるので後者は現実的には無理だな。となれば……。

「ねえ、蓮」

「どうした朝姫、っておま…なにしてんだ!?何処からそんなもの……」

呼ばれて振り返ると彼女の手には黒光りする大型拳銃が。おもわず両手を上げる。

「何処からって、さっきの箱から」

「さっきの箱って…、デカい割にペンダント一個しか入ってなかったアレか?他に何も入ってなかったと思うんだが」

そう言いながらも、箱をもう一度開けてみる。

「うっそ……」

さっき開けた時は、確かにペンダントしか入ってなかったはず。仕掛けで出てくるわけでもないしさっき見たとき見落としてたわけじゃないだろう。

というか見落としようがない。というかこれだけ武器が入っていたら気づくだろ、普通。

箱の中には、ダガーナイフ・拳銃・日本刀・西洋剣・ハンマー・槍・斧・弓矢、等など。

明らかに殺傷力の高そうな武器がごちゃごちゃと入ってる。って自分で言ってて思うんだがどうやってこれ入ってたんだよ。謎だ…。

「ミステリーですね」

朝姫は楽しそうに言うが、常識的に有り得ないだろ。

というか、制服と拳銃ってえらくシュールな組み合わせだな。

「こんな状況でそんなこと言ってられないでしょ?」

そんなこと言ったらミステリーだってそうだろ。

「むぅ。そんなことよりこれからどうするのよ?」

とりあえずふざけてる場合じゃないな。

「そうだけど、私が言いたいのはどうやって生き残るかって言うこと!!

いや、ワカッテマスヨ?ええ。

銃弾も弾倉も入っていないが銃を突きつけられるってのはかなり怖い。

額に当てられた冷たい感触に身震いする。

「とにかく殺されるのは勘弁だけど人を殺すのもな…」

「そうね。でも、なんだかんだ言っても結局『ほかの12組のペアが死なない限り』私たちも生き残れないわよ」

朝姫の声はいつものままで。

なんとなく、背筋が冷たくなった。




―――――――――――――《次回予告》――――――――――――――

始まってしまった戦い。終わってしまった日常。初めの敵は思いのほか強敵で…。

果たして二人は生き残ることができるのか。

次回、「開戦と絶望」




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