琵琶湖の環境保全に役立つロボットを――。立命館大理工学部(滋賀県草津市)などの研究グループが、他大学や企業と協力し、一人で操れる小型の操縦型水中ロボットを製作した。

 「湖を駆ける」との意味を込め、「湖虎(ここ)(COCO)」と命名。学生らは「琵琶湖を守るロボットとして活用していきたい」と意気込んでいる。

 川村貞夫教授(53)(ロボット工学)の研究室と、半導体製造装置大手の大日本スクリーン製造(京都市上京区)、東海大(静岡市)のグループ。2007年11月、ロボットの「目」となる画像処理技術を持つ同社が、立命館大側に産学連携でのロボット製作を打診。「琵琶湖ならではのロボットを」とプロジェクトが始まった。

 従来の水中ロボットのほとんどが500キロ~1トンと大きいうえ、水中で腕や本体を自在に動かすためには複数の操縦者が必要。このため、グループは一人で持ち運びや操縦が可能なロボットを目指すことにした。

 1年かけて完成したロボットは、全長70センチ、約50キロ。一人でも持ち運べるよう、アルミを使って軽量化した。箱形の胴体に取り付けた2本のアームなど17か所が可動。浮沈や方向転換は、浮輪の役割を果たす発泡ウレタンで作った浮力材をモーターで動かして行う。

 操縦部分は、ゲームのコントローラーに似た操縦かんと、水中カメラが映したモニターで構成され、ロボットとは約50メートルのケーブルでつながれている。

 タイヤなど自分の体ほどの物でも軽々と運ぶことが可能。アームには2本の“指”が付いており、物を「つかむ」こともできる。行動範囲が限られるため、底引き網にかからないような砂に埋まったゴミや、環境調査で湖底の生物や泥を採取するなどの細かい作業が向いているという。

 今年2月には、彦根市の琵琶湖で船上から約20メートルの深さまで実際に潜らせ、動きなどをテスト。途中、ロボットのケーブルが湖底に捨てられた自転車にひっかかって身動きが取れなくなるトラブルがあったが、“自ら”絡まったケーブルをほどき、解決したという。

 川村教授は「ゆくゆくは、橋の建設など水中での工事や養殖業での活用など、ダイバーの代わりに使えれば」と期待。研究にかかわったロボティクス学科4年、斉藤崇之さん(23)は「ロボットの売りは『コンパクト』。いろいろな分野に普及するようさらに軽く、操縦が簡単になるようにしていきたい」と話している。

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