泉南アスベスト訴訟で、国が控訴したことを受け、原告団と弁護団は1日、東京の厚生労働省と地元の大阪府泉南市でそれぞれ記者会見し、怒りの声を上げるとともに、失望感に沈んだ。

 昨年6月に夫を肺がんで亡くした原告団共同代表の佐藤美代子さん(65)は厚労省での会見で「地獄の底に突き落とされた思い。身を粉にして働いてくれたパパに何と報告していいか」と涙ながらに話した。

 22年前に夫を亡くし、自らも肺を患っている原まゆみさん(66)も「『息がほしい』と苦しみながら死んでいった人をたくさん見てきた。鳩山(由紀夫)首相や国の関係者は原告の顔を一度も見ていないのに、控訴なんてひどすぎる」と怒りをあらわにした。

 一方、泉南市で開かれた会見には原告ら約20人が出席。大阪地裁判決で呼吸器疾患との因果関係を認められなかった岡田陽子さん(53)は「『命を守る』という公約を掲げる鳩山政権は、一体誰の命を守るのか。これ以上亡くなる人が出ないように一日も早く救済してもらいたい」。

 びまん性胸膜肥厚に苦しむ西村東子さん(71)は「情けない。酸素吸入器が手放せず、あと何日生きられるか分からない。お願いです。できるだけ早く救済してください」と訴えた。

 弁護団の八木倫夫弁護士は「控訴審では1審の敗訴原告も救済する方向で闘いながら、早期和解を目指したい」と決意を語った。

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