【PCR】は「ポリメラーゼ連鎖反応、polymerase chain reaction」のことで、DNAサンプルから特定領域を数百万〜数十億倍に増幅する一連の反応またはその技術のことです。1983年に「キャリー・マリス」によって発明され、その後キャリー氏はノーベル賞を受賞しています。

参考URL:

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC%E9%80%A3%E9%8E%96%E5%8F%8D%E5%BF%9C

 

 

【PCR検査】は検査をしても陽性反応が100%信頼できるかと言えば言えません。

参考URL:

https://www.gohongi-clinic.com/k_blog/3873/

スクリーニング検査として【PCR検査】を行なったとしても、偽陽性・偽陽性と判定されてしまう人が出てしまうということです。

 

また、厚生労働省が出している「唾液を用いたPCR検査に係る厚生労働科学研究の結果について」によると、COVID-19と診断され自衛隊中央病院に入院した患者の凍結唾液検体(発症後14日以内に採取された88症例)を用いて「PCR法 」「ダイレクトPCR法」「LAMP法」を外部機関で行い、鼻咽頭ぬぐい液を用いた【PCR検査結果との一致率を検証】した結果、

【「発症から9日以内」の症例で、鼻咽頭ぬぐい液と唾液との結果に「高い一致率」が認められた。】

ということです。

参考URL:

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000635988.pdf

この結果を見ると、ホント9日以降はぐんと一致率が下がっているのが分かります。

 

そのため、【PCR検査】のみ行うことはせず、「抗原検査」「抗体検査」も行います。

【PCR検査】は追加検査の枠の中にあるため、最初から【PCR検査】は行いません。

参考URL:

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html

まず「抗原検査」を行い、陽性・陰性を調べます。

そして「抗原検査」が陽性の時は入院措置等となり、陰性で「症状発症後2日目以降から9日以内の人」の場合は【PCR検査】等の追加検査は行いません。

しかし、陰性で

「臨床経過から感染が疑われる場合」+「症状発症後日および10日目以降の者の場合」+「確定診断のために医師の判断において【PCR検査】等を行う必要があると診断された者」

が追加検査として【PCR検査】等を行い、陽性者のみ入院措置等となります。

 

なお、各検査の「調べるもの」と「判定時間」は以下の通りです。(上記参考URLにさらに詳しい表があります。)

①抗原定性検査:ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)、検出には一定以上のウイルス量が必要。(約30分)

②抗原定量検査:ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)、抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる。(約30分+検査機関への搬送時間)

③PCR検査:ウイルスを特徴づける遺伝子配列(数時間+検査機関への搬送時間)

 

「抗体検査」は現在、イムノクロマト法と呼ばれる迅速簡易検出法をはじめとして、国内で様々な抗体検査キットが研究用試薬として市場に流通していますが、期待されるような精度が発揮できない検査法による検査が行われている可能性もあり、注意が必要とのことです。

またWHOは、「抗体検査」について、診断を目的として単独で用いることは推奨されず、疫学調査等で活用できる可能性だけを示唆しています。

 

【PCR検査】は、ただ単に「すればいい」ということではないということです。

 

参考URL:

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00004.html


追記:

新型コロナウイルスの感染防止策として、東京都世田谷区は1日に2000~3000件をPCR検査できる体制整備の検討を始めたそうです。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/46562