秋口から春にかけて注意が必要な「感染性胃腸炎」。
「感染性胃腸炎」は細菌やウイルスなどによって感染し、「下痢」「悪心」「嘔吐」などの胃腸炎症状をきたす疾患です。
そして、その原因となることの多いウイルスが『ノロウイルス』と『ロタウイルス』です。
『ノロウイルス』と『ロタウイルス』の感染経路は「経口感染(飛沫感染・塵埃感染など)」です。
感染者の「糞便」「嘔吐物」は勿論、「感染した食品」などに注意が必要です。
『ノロウイルス感染症』は、「すべての年齢層」で感染症が認められます。
『ロタウイルス感染症』は、「生後6カ月~2歳」をピークに、5歳までにはほぼすべての小児が感染すると言われています。(年長児期以降は「不顕性感染」が多い。)
流行期はそれぞれ違います。
『ノロウイルス感染症』は、11月後半~12月頃から増加、1月にピークを迎え3月くらいまで続きます。
『ロタウイルス感染症』は、3月~5月に乳幼児の間で増加していきます。
潜伏期間はほぼ同じです。
『ノロウイルス感染症』は、通常約1~2日間、症状が回復した後も「約1~2週間」はウイルスが便中へ排泄されます。
『ロタウイルス感染症』は、2日間程度、症状が回復した後も「10日間程度」はウイルスが便中へ排泄されます。
ですので、どちらも症状が回復しても2週間程度は二次感染に注意が必要となります。
症状の違いや特徴は、
『ノロウイルス感染症』の主な症状は、「嘔吐」「下痢」「発熱」です。
初期には「胃部不快感」「嘔吐」「発熱」が多く、その後、激しい「水様性下痢」になります。症状は通常2~3日で治まります。
乳幼児や高齢者は、「脱水」「嘔吐物による窒息」に注意が必要です。
『ロタウイルス感染症』の主な症状は、「下痢」「嘔気」「嘔吐」「発熱」「腹痛」です。
症状は通常1~2週間で治まります。
特に乳幼児は、「脱水」と「重症化」に注意が必要です。
ワクチンは、現在『ロタウイルス感染症』に2種類(ロタリックス・ロタテック)存在します。『ノロウイルス感染症』にはワクチンは存在しません。
『ロタウイルス感染症』のワクチンは、任意接種で「生後6週」から接種可能です。(初回は生後8週~15週未満を推奨。)
「ロタリックス」は、生後6週~24週までに2回接種します。
「ロタテック」は、生後6週~32週までに3回します。
接種費用はどちらも3万円程度ですが、ワクチン接種費用を補助している自治体もあります。
治療薬はどちらも特異的な治療薬がないため「対症療法」となります。
「下痢」に対しては、下痢止めは使用せず、「整腸剤」などで経過観察します。
「嘔吐」や「脱水症状」に対しては、吐き気止めは使用せず、無理な経口補水もせず、経過観察しながら随時補水します。
「口渇」など強い脱水症状がみられる場合は、速やかに経静脈的輸液療法で水分や電解質の補給を行います。
参考資料:
クレデンシャル 2019/No.125