日本の地名って何故「漢字2文字」が多いのか、気になったことありませんか?
都道府県名を見ても「神奈川県」「和歌山県」「鹿児島県」のほかはすべて「2文字」だし、市の名前もほとんどが「2文字」です。
「2文字」の理由は、奈良時代(713年)までさかのぼります。
時は元明天皇の御世、和銅6年(713年)5月、地名にあてられた不統一な漢字表記をまとめるため、国名をはじめとした行政単位を「縁起の良い漢字2文字」に変更せよという『好字二字化令(諸国郡郷名著好字令)』が発令されます。
それにより、1文字の地名や3文字の地名も「2文字」となりました。
「漢字2文字」としたのは、当時の中国「唐」が「洛陽」や「長安」など良い意味の漢字2文字を使い名をつけていたためです。
では、「神奈川県」「和歌山県」「鹿児島県」は何故3文字なのか?も気になります。
「かながわ」の名は、昔、「神奈河」「神名川」「上無川」などとも書かれ、武蔵国久良岐郡(現在の横浜市神奈川区)の地域をいい、古くから陸上・海上交通の重要なところでした。これが県名になったのは、横浜開港に伴い、安政6年(1859)に「神奈川奉行所(武蔵国・相模国内の幕府領・旗本領)」を置いたことによります。そして、明治元年(1868)9月に「神奈川県」となりました。(神奈川奉行所→横浜裁判所→神奈川裁判所→神奈川府→『神奈川県』)
なお「神奈川」の由来は、京急仲木戸駅近くに流れていた長さ300メートルほどの「小川の名前」からで、現在は道路になっています。
「和歌山県」は江戸時代までは「紀伊国」と言いました。
その前は木が多い国(古代国家に材木を供給する地)だったため、奈良時代までは「木国(きのくに)」と名乗っていました。
「木国」は『好字二字化令』により「紀伊国」となり、その後、「和歌浦」の和歌と「岡山城」の山との合成語「和歌山」となり、「和歌山県」となります。
「鹿児島」は、語源の由来がたくさんあります。
①野生の「鹿の子」が多く生息していたから
②火山を意味する「カグ」という言葉から
③多くの「水夫(かこ)」が住んでいたから
④天津日高彦穂々出見尊(山幸彦)が海神宮(わたつみ)に行く際に乗った舟が「鹿児山」で作られたから
⑤「神籠もる島」から
⑥「カゴ」は崖という意味で四方が崖に囲まれている桜島は「カゴ島」と謂われ、鹿児島は桜島の古い名であるから
など。
「鹿児島県」の名称は、「鹿児島神宮(霧島市隼人町)」に由来します。
参考資料:
日本地図150の秘密(編:日本地理研究会)
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