『模造紙』という紙があります。
掲示物や自由研究など、いろいろな場面で『模造紙』は使われていますが、何で『模造紙』と呼ぶのでしょうか?
『模造紙』はその名の通り『模造』した『紙』で、「ジャパン・シミリ(シミリ・ジャパニーズ・ヴェラム)」という紙を模造(真似)して作られた紙です。
「ジャパン・シミリ」とは、1878年のパリ万博で日本(明治政府)が出品した、大蔵省印刷局特性の「局紙」を原型にオーストリアで作られた紙です。
「局紙」は、紙幣寮抄紙部の工場で1877年に創生した紙で、英国皇族来訪のみぎり、東京市の「奉迎文用紙」として特注、創製した紙といわれています。
その日本製の「局紙」を真似てオーストリアで作られた「ジャパン・シミリ」が、今度は逆に日本に輸入され、1913年に九州製紙が光沢を施すなどして「ジャパン・シミリ」を模造・改良を加え大量生産して一般化した紙が『模造紙』というわけです。
現在、皆さんが使っている『模造紙』は、正確には「模造紙の模造紙」だったんですね!
なお、『模造紙』の呼び方で「出身地がわかる」んだそうな。
・大判用紙・・・山形県。『模造紙』という言い方はほとんど通じない。
・大洋紙・・・新潟県。「大」きな「洋紙」に由来するとされる。『模造紙』ではほとんど意味が通じない。
・ガンピ・・・富山県。画用紙などの比率の元であることから「元比」という説、「雁皮」に由来するという説がある。
・B紙・・・愛知や岐阜などの東海地方。単に『模造紙』では意味が通じないことがある。
・鳥の子洋紙・・・愛媛県・香川県・沖縄県。襖などに使われる鳥の子紙に由来する。『模造紙』でも通じる。
・広用紙・・・九州方面。広い用紙であることに由来する。『模造紙』でも通じる。
・広幅用紙・・・鹿児島県。広い幅の用紙であることに由来する。『模造紙』でも通じる。
ちなみに、私は三重県ですが『模造紙』という言葉が出てこないときは『でっかいペラペラの紙』と言います・・・。
参考資料:
ちゃぶ台のちゃぶって何だ?(編:素朴な疑問探究会)
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