料理には欠かせないし、人体にも欠かせない『塩』。
人間にとって大変重要な成分であり、料理をする人の中には「この『塩』しかダメだ!」とこだわっている人も多いのではないでしょうか?
自分もよく『塩』にこだわるほうでして、最近お気に入りの『塩』が経営上の問題で購入できなくなり、自分にとってはかなりの衝撃と打撃を受けております。
さて『塩』は、塩化ナトリウム(NaCl)を主な成分とし、海水の乾燥・岩塩の採掘によって生産される物質です。
『塩』の定義は、日本の塩事業法2条1項で「塩化ナトリウムの含有量が100分の40以上の固形物」(ただし、チリ硝石、カイニット、シルビニットその他財務省令で定める鉱物を除く)と定義されています。
日本での『塩』づくりは、とても困難を極めます。
日本の風土(湿度が高い)が『塩』づくりに適しておらず、まず日本製の「岩塩」はありません。(温泉から作られる「山塩」はあります。)
なお、海外の塩は約6割が「岩塩」です。「岩塩」の形成時期は5億年から200万年前といわれています。
日本での『塩』づくりは、海水(塩濃度は3%)の水分を飛ばして「かん水」という濃度の高い塩水を作り、それを煮詰めて『塩』を取り出す方法が一般的で古代から行われています。
海水に浸した海藻を乾燥させ、それを繰り返して作った「かん水」を土器で煮詰めて塩を取る「藻塩焼き」、塩田に海水をまき天日で乾燥させ、塩分をたくさん含んだ塩を洗って「かん水」を作り煮詰めて塩を取る「揚げ浜式製塩法」、潮の干満差を利用した「入り浜式塩田」、また、地域の特徴を生かした製法など、様々な方法によって日本の『塩』は作られています。
さて話は変わりますが、あなたは「サラリーマン」ですか?
「サラリーマン」は日本の元気を支える大変重要な方々ですが、何故「サラリーマン」と呼ばれるようになったのでしょうか?
英語で「サラリー」は「給料」ですが、そこからきているわけではありません。
紀元前、『塩』は大変貴重な調味料として扱われていました。
食材を塩漬けにすることで「長期保存」が可能となるし、人体の必要不可欠な成分だからです。
また、古代ローマや中国では政府が『塩』の販売権利を握ってもいました。
そのため、古代ローマでは、兵士や役人に対して給料を「貨幣」の他に『塩』でも払っていたんだそうです。
『塩』は英語では「ソルト」と言いますが、ラテン語では「サラリウム」と言います。
その「サラリウム」と「給料(=塩)」が語源となり、給料をもらう人のこと、すなわち「サラリーマン」となったわけです。
「サラリーマン」は海外では通じない和製英語の一つです。
海外では「オフィスワーカー」と言いましょう。
参考資料:
ベストオブニッポンの調味料 (別冊Discover Japan)
今すぐ話したくなる知的雑学 知識の殿堂(著:曽根 翔太)
参考URL: