ヒトは『霊長類』に属します。
そんなことは100も承知ですが、なぜ『霊長類』なんでしょうか?
そもそも「霊長」とは何か?知っていますか?
 
『霊長類』とは、霊長目の哺乳類の総称です。
原猿類、新世界ザル、旧世界ザル、類人猿、ヒトなどを含み、現存するものは約200種あるとされています。
 
『霊長』とは、「霊妙な力を備えていて、他の中で最もすぐれているもの」という意味があります。(「霊妙」とは、神秘的な尊さをそなえていることです。)
 
『霊』は元々「靈」という漢字でした。
「雨」と「口(祝詞)」3つと巫女の「巫」が重なってできた漢字です。
祈りの言葉を並べて雨ごいする巫女(ふじょ)を意味し、意義は「たましい」「みたま」「精神」です。
 
ですので、ヒトやサルなどは他の哺乳類とは違い、霊妙な力がある最も優れている哺乳類だということで『霊長類』に属するわけです。
霊感や幽霊、言霊、慰霊祭、霊園など「霊」が付く言葉は、すべてヒトが関係するのがわかります。
 
しかし、なぜ「雨」なんでしょうね。
 
漢文学者の白川静さんの『字訓』によれば、中国では「生命の原動力」が『雨』に求められたため、「雨」の字がつくのだそうです。
また、世界の多くの文化圏には「雨は神からの贈り物であり、それが途絶えるのは神の罰である」という観念があったそうなので、なるほど、「雨」は付かないといけないのですね。
 
また「雨」は「天(あめ)」又は「天水(あまみず)」のどちらかが語源なんだそうです。
人間にとって「雨」は天からの贈り物で、生命維持にはなくてはならないものなのです。
 
雨の日が続くなど「雨が降って嫌だなぁ」なんて思ったときは、「雨は生命の原動力。しかも俺達『霊長類』だから仕方ないか!」と思えば少しは楽にはなるかも!?
 
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