アレルギーによる鼻づまり、嫌ですよね。
鼻が詰まっているとホントやる気も出ません。
それが年中とかになると『点鼻薬』を離せない方もいるのでは?
 
さて、アレルギーに使う『点鼻薬』には「血管収縮剤」と「ステロイド」の2種あります。
「血管収縮剤」は、「鼻詰まりを一時的に解消する」お薬で、症状が治まったら使用をやめます。使いすぎは「薬剤性鼻炎」を起こす原因にもなるため、長くても1~2週間の使用にとどめる必要があります。
「ステロイド」は、症状が悪くなってから使用するのではなく、「症状の悪化を防ぐために継続的に使用」します。症状が治まってもしばらく使い続けます。
 
ですので、耳鼻咽喉科で一般的によく使われる「点鼻薬」は「ステロイド点鼻薬」が多いと思います。
現在、よく使われる「ステロイド点鼻薬」は3種類あります。
『アラミスト』『ナゾネックス』『エリザス』です。
うちの薬局でもこの3種類は、年中ある常備品として数を切らさずにおいてあります。
よく出るのは『アラミスト』。全処方の80%くらいはこの『アラミスト』です。
次に『ナゾネックス』で、たまに『エリザス』の順です。
 
お薬は目的があり処方されます。内服薬はもちろん外用薬もすべてそうです。
ですので、この3種類の「ステロイド点鼻薬」も同じように見えて、実は、症状に合わせ使い方を変え処方されています。
 
では、どんな違いがあるのでしょうか?
 
まず『アラミスト(フルチカゾン)』は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻症状だけでなく、眼のかゆみ・赤み・涙などの「眼の症状」にも効果が期待できる「点鼻液」です。
点鼻薬なのに「眼の症状に効く」とは面白いお薬ですよね。
ただし、子供への使用は注意が必要です。
58歳は基本11回 11噴霧ですが、12噴霧を1年使い続けると身長の伸びが「0.27cmほど減る」という報告があります。
症状がよくならないからと言って何回も噴霧するのは×ですので、用法容量を守って使用しましょう。
 
『ナゾネックス(モメタゾン)』は、全身作用が最も少ないため、「長く使う」場合に適した点鼻薬です。(「副作用が少ない」点鼻液とも言えます。)
 
『エリザス(デキサメタゾン)』は、「粉末」の点鼻薬。
粉末ですので液だれもなく、しかも添加物が乳糖のみ(防腐剤や保存剤などは入っていません!)のため「鼻の粘膜が過敏な時」にとても有効です。
なお、『エリザス』は子供は使えません。16歳以上の方に使用します。
(『アラミスト』は2歳から、『ナゾネックス』は3歳から使用可能です。)
 
なお、「点鼻薬」は、鼻通りの良い悪いで効果も変わってきます。
「点鼻薬」の効果を十分発揮させるためにも、
①点鼻薬使用前に、鼻をかむ。
2噴霧ずつであれば、左右交互に2噴霧ずつする。
③噴霧後は、「鼻から息を吸って口から吐く」。
を心がけましょう。
 
参考資料:薬の比較と使い分け100(著:児島 悠史)