「解熱鎮痛剤」の使い分けは、とても大切です。
「解熱鎮痛剤」と言えば、『ロキソニン』『ボルタレン』『カロナール』が有名です。
「ロキソニン最強!」とか、「いやいやボルタレンでしょ。」など、たまにネットでも話題になります。
しかし、間違えて服用するとやはり危険です。
まずはこの3種類の特徴を見てみましょう。
①ロキソニン(ロキソプロフェン):NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)
 ・速く効く!速くて15分、遅くとも1時間以内に効き始める。(頓服に向いている)
 ・妊婦・小児・インフルエンザの時・アスピリン喘息を持っている、の場合使えない。(妊娠末期は禁忌)
 ・上市されている国は28か国
 ・消化器系の副作用の頻度:2.25%
 ・服用に適さない痛み:片頭痛・胃潰瘍・神経の痛み
②ボルタレン(ジクロフェナク):NSAIDS
 ・強く効く!
 ・妊婦・小児・インフルエンザの時・アスピリン喘息を持っている、の場合使えない。
 ・上市されている国は137か国
 ・消化器系の副作用の頻度:6.63%(胃を荒らしやすい)
 ・服用に適さない痛み:片頭痛・胃潰瘍・神経の痛み
 ・坐剤(サポ)の場合は1歳から使え、速く効き、胃腸障害が少ない。
③カロナール(アセトアミノフェン):解熱鎮痛剤
 ・効き目はやさしい。
 ・妊婦・小児・インフルエンザの時に使える!
 ・肝臓に負担をかけやすい。1日1500mgを超えて長期使用する場合は、定期的な肝機能検査をすること。
 ・医薬品「トラムセット」は、ドラマドール(オピオイド鎮痛薬)とアセトアミノフェンの合剤。
このように、3種類、「解熱鎮痛剤」と一言で言っても、効果や使い方が同じではありません。
④その他の解熱鎮痛剤
A:セレコックス(セレコキシブ):COX-2阻害薬
・長く効いて、胃にも優しい。
 ・常用量であれば、アスピリン喘息にも効く。
 ・大腸がんのリスクを軽減できることが報告されている。
 B:ソランタール(チアラミド):塩基性NSAIDS
 ・胃にやさしく、アスピリン喘息を起こしにくい。
 ・解熱効果はほとんどない。(COX阻害作用がない。)
⑤おまけ:特定の痛みに何が良いか?
・片頭痛には?・・・トリプタン製剤予防薬
・胃潰瘍には?・・・PPI、H2ブロッカー
・神経の痛みには?・・・リリカ、ノイロトロピン
熱がある!痛い!だから何でもロキソニン!とは限りません。
「解熱鎮痛剤」は使い分けが大事です。
間違った服用をしてしまうと、治るもの治りませんし、逆にどこかが悪くなる場合もありますので、「残っている解熱鎮痛剤」や「ほかの人の解熱鎮痛剤」には、本当に注意が必要です。
他のお薬にも言えることですが、やはり!
『お薬を服用するときは使用上の注意をよく読み、わからないときは薬剤師に聞き、正しくお使いください!』
参考文献:薬の比較と使い分け100(著:児島 悠史)