薬局には必ずと言って良いほど置いてあるものがあります。
それは「ワセリン」。
この「ワセリン」の開発には、かの有名な『ジョン・ロックフェラー』が関係しているって知っていますか?
 
『ジョン・ロックフェラー』はアメリカの実業家で、スタンダードオイル社の創業者として有名な人物です。
ピーク時はアメリカの石油の90%をコントロールしたとされ、アメリカ人初の10億ドルを越える資産を持った人物です。
 
エジソンやテスラの発明で、アメリカの灯りは「灯油」(ランプ)から「電気」(白熱電球)に移行します。
それまで「灯油」で財を成してきたロックフェラーにはその「電気」に対抗するもの、「灯油」に変わる製品が必要でした。
そこでロックフェラーは「灯油」を生成するとき、今まで破棄していた物質「石油精製時の副産物」に目を向けます。
その副産物は揮発性・引火性が高く、それまで地中を汚染していました。
その副産物は、今でいう「ガソリン」でした。
 
しかし、すぐには「ガソリン」の用途を見出すことは出来ずにいたため、化学者を雇い「ガソリン」の用途を見出そうとします。
科学者はそこで「合成ワックス」「タール」「塗料」「チューインガムの原料」など、300以上の石油製品を開発。そして、その中に『ワセリン』もありました。
 
『ワセリン』の生みの親は「ロバート・チーズブロー」。当時22歳の若い化学者でした。
チーズブローは、石油採掘機や油田掘削機に付着する黒いドロドロとした「ロッドワックス」に注目します。
労働者たちは経験からか「ロッドワックス」を切り傷や擦り傷に塗ると早く治る効果がある、ということを知っていました。
チーズブローはその「ロッドワックス」を精製、人類初の工業的に精製された『ワセリン』が誕生したのです。
 
現在は、ワセリン自体に薬効は無く、安全に肌を保護して本来の治癒力を引き出すものと考えられています。
しかも「ワセリン」は「アトピー性皮膚炎」に効果があるのでは!?と言われてもいます。
 
「ワセリン」は、どこでも誰でも購入できます。
雑誌は「ヒルドイド」の特集より「ワセリン」の特集をした方が、問題にならずにいいのになぁと思います。
私なら無人島には「ワセリン」を持っていくことをオススメします。
 
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参考映像:伝説の企業家 ~アメリカをつくった男たち~ 第6
参考URL
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン・ロックフェラー