お薬には、必ずと言っていいほど「副作用」があります。
一般薬(OTC)や漢方薬にも「副作用」は存在し、お薬を服用するときは十分注意されている方もいると思います。
薬局でもらう説明書(薬剤情報)には、最低限の一般的な「副作用」や注意点しか記入されていないことが多く、その他の「副作用」の確認は、専門書を見たり、薬剤師に聞いたり、薬剤師から説明を受けることとなります。
ただ、その記載されている「副作用」は、どんな人が、どんな状態で、どのような副作用が、どれだけの数、どれだけの頻度で発生しているのか?
そのような情報だけでは、なかなかわからないものです。
実際、記載されている「副作用」全てが出るわけでもないのに、書いてあるがため発症するかしないか分からない「副作用」におびえ、自身の判断で服用しない方も中に入ると思います。
そんな状態は治る病も、治りが悪くなってしまったり、最悪、悪化してしまいます。
今の時代はインターネットというものがあり、なんでも情報を得ることができる時代です。
「医薬品副作用データベース」
というものを、皆さんはご存知でしょうか?
医薬品を取り扱う者(製造販売や医師、薬剤師などの医薬関係者)は、「副作用によるものと疑われる症例」等を知ったときは、規定により厚生労働大臣に対して報告することが義務づけられています。
その報告された「副作用」を、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)がデータベース化し、提供しているものが「医薬品副作用データベース」です。
例えば「葛根湯」というお薬を調べてみましょう。
医薬品副作用データベース利用規約をよく読み、同意し、クリックすると「副作用が疑われる症例報告に関する情報」というページに飛びます。
そのページの左側にある「検索条件設定」の一番上にある『検索したい医薬品の一般名・販売名』に「葛根湯」と記入し、下にある「検索実行」ボタンをクリックすると、右側に9件出ると思います。
上から6番目の「葛根湯」の「(販売名で絞込み)」というところをクリックすると、葛根湯を服用して起こった副作用(現在は2004年から2017年まで)の『症例一覧』を見ることができます。
また、「件数」も年ごとに一覧で見ることができます。
葛根湯の副作用発現は高齢の方が多いなとか、肝障害が多いな、なんて自身で分析することも可能です。
お薬は、自分に合っているかどうか事前に知ることは困難で、正直、どんなお薬でも一度飲んでみないとわからないのが現状です。
個人個人で「副作用」の発現も異なりますし、危険な「副作用」が発現したからこのお薬は服用するすべての人に危険な薬だ!と言い切ることはできません。
逆に「葛根湯」のような、よく使われるお薬なのに報告がこれだけの件数なのであれば、比較的安全なお薬だと言えるのではないでしょうか?
人体に危険な副作用が出ているから、このお薬はダメだと一方的な考え方のほうが、危険だと言えます。
ですので、このデータベースも実際起こった症例として参考程度、知識程度でとどめておくことが大切です。
自身がお薬を飲んで、「おかしいな」とか「変だな」と思ったらすぐに医師、薬剤師に連絡し、適切な指示を受けましょう。
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