おじいちゃんおばあちゃんの家に行くと、棚の上の方に「置き薬」がある場合があります。
今も置いてある家、あると思います。
 
「置き薬」と言えば『富山』が有名だと思いますが、佐賀、奈良、滋賀にもあり、現在「置き薬」として使用されている薬の種類は約5,000品目、伝承薬、家伝薬などや利用者のニーズに合わせ対応した薬が多く、昔から手軽な薬として生活の中に浸透している薬です。
 
「置き薬」は「内服薬」と「外用薬」の2種類に大別されます。
「内用薬」は、「丸剤」「錠剤」「カプセル」「粉薬」「トローチ」「水薬」などがあり、風邪、腹痛、頭痛などの症状に合わせた調合がされています。
「外用薬」は、「目薬」「点鼻薬」「消毒薬」「うがい薬」「はり薬」「ぬり薬」「坐薬」「絆創膏」などがあります。
 
「置き薬」の販売は『先用後利(用を先に、利を後にせよ)』という考え方に基づき、販売されています。
周期的に巡回して未使用の残品を引き取り、新品と置き換え、服用した薬に対してのみ謝礼金を受け取るという、現在のクレジットとリース制を一緒にしたような販売方法で古くから行われています。
 
また、
「一代限りと思うな。孫の代まで続けるという心がけで、真心をこめて対応し、誠を尽くそう」
という、くすり売りの間で代々語り継がれてきた言葉があり、これを実践するための「信用三本柱」というのもあります。
その「信用三本柱」とは、
①商いの信用:顧客との間にトラブルを起こさず、不正な商いをしない
②くすりの信用:有効で安全な品質の高いくすりを提供
③人の信用:くすりを売るのではなく、人間を売る(信頼関係の構築)
です。
今の商いにも通じるとてもいい考え方ですね。
 
「置き薬」は今もなお、人々の生活や心に寄り添いながら多くの病を治しています。
 
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