(注:閲覧注意)
今の医療はいろいろな実験を重ね、発展してきました。
実験にはモルモットやカエル、犬など、様々な動物が実験に使用され、たくさんの命の上に今の医療があると言っても過言ではありません。
しかし、そのような実験は何も動物だけで行われているわけではありません。
そう、『人体実験』と言うものもあります。
皆さんは『人体実験』と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
まだ未承認のお薬を飲んでその変化を見る、とか、何もない個室に1週間閉じ込められ体調の変化を見る、などでしょうか?
臨床実験などのバイトも今もあります。高額なバイト料に目がくらみ学生時代などにした人もいると思います。
しかし、世の中には極悪非道な人体実験もあります。
1944年、ナチスドイツのヨーゼフ・メンゲレが行った『双生児結合実験』という人体実験が行われました。
1943年5月、アウシュビッツ強制収容所に配属になったメンゲレは『双子の実験』を行うため、人体実験用の双子を収容者の中から選んでいました。
目的は、ナチスドイツが優越論を掲げる『アーリア人(金髪で碧眼、長身)』という人種の出生率を上げるためでした。
双子をたくさん生めることができれば、出生率が上がるためです。
そのため、双子の臓器を摘出し観察したり、四肢を切断・付け替えたりと極悪非道な人体実験をし、目的を達成しようと日々実験を繰り返していました。
その中でも特に目を引く実験が、この『双生児結合実験』です。
『双生児結合実験』はその名の通り、双子(双子Aと双子B)を結合する実験です。
目的は「双子の臓器は共有可能かどうか調べる」というものでした。
双子Aに双子Bの上半身だけをくっつけ、2つの臓器を共有して生きる「シャム双生児」の作成が行われました。
実験は【失敗】。
検体となった双子は一命をとりとめましたが、上半身だけの双子Bは悪性の感染症に罹患し、もがき苦しまれたそうです。
しかし、メンゲレは実験に失敗したとたん、その実験に興味を失い、その双子を元の親のもとへ返しました。
メンレゲは、戦争終結の直前にヨーロッパで潜伏、アルゼンチンへと逃亡、1979年2月7日に逃亡先のブラジルで海水浴中に心臓発作で死亡しました。
犠牲になった双子は3000人以上、実験後生き残った双子はわずか180人ほどだったそうです。その生存者も、深刻な後遺症やトラウマを抱え、一生苦しんだと言われています。
このような『人体実験』は他にもたくさんあります。今もどこかで行われているかもしれません。
しかし、このような『極悪非道な人体実験』から目を背けるのではなく、知って、このようなことがこれから起こらないようにしなければなりません。
人間は何にでも欲や興味をもちますが、欲や興味だけで行動に移す行為は、他人を不幸にすることがあります。
事実、「戦争」はいつも不幸と隣り合わせです。
参考資料:マンガ 実録!死ぬほど怖い 人体実験の世界史(著:闇の世界史研究所)