薬局において「医療用麻薬」の取り扱いは厳重です。
風邪薬などに含まれる家庭麻薬(1%以下のコデイン・ジヒドロコデイン)以外の医療用麻薬は、「麻薬及び向精神薬取扱法」により取り扱いが規制されており、医療用麻薬を取り扱う薬局はすべて『麻薬小売業者の免許を取得する』ことが必要となります。
ですので、『麻薬小売業者の免許を取得していない薬局』には医療用麻薬はありません。取り扱うこともできません。
 
「処方箋」も普段使用する処方箋とは異なる部分がいくつかあります。
医療用麻薬を処方する場合は「麻薬処方箋」を麻薬施用者のみが発行(処方)します。
(麻薬施用者とは:病気などの治療を目的として麻薬を施用する者のことです。医師、歯科医師、獣医師などが挙げられます。)
麻薬処方箋には、普通の処方箋の記載事項のほかに、
・患者の住所、氏名、年齢(又は生年月日)
・麻薬施用者の免許証番号
を記載しなければなりません。
記載がない場合は無効になります。
 
「医療用麻薬」は管理・保管・廃棄・処方箋の取り扱い(保管)などにも特別な注意が必要となります。
麻薬小売業者が所有する「医療用麻薬」は、薬局内に設けた『鍵をかけた堅固な設備内』に保管しなければなりません。
また、「医療用麻薬」を処方した際は、麻薬帳簿への記載も義務付けられています。
 
医療用麻薬を廃棄する場合、都道府県知事に「あらかじめ」届け出を出し、当該職員の立会いの下、廃棄します。「あらかじめ」がポイントですね。届けがないと廃棄できません。
調剤後の医療用麻薬の破棄(患者が死亡したなど、破棄できないため薬局に持ってくる場合など)も、廃棄後30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を都道府県知事に提出します。
 
「医療用麻薬」を紛失してしまった場合は、とても大変です。
都道府県知事に「麻薬事故届」を提出、盗難にあった場合は警察にも連絡します。
 
「医療用麻薬」は、医療機関ではとても厳重に管理されています。
適切な管理が適正使用につながり、的確な治療ができます。
 
参考資料:薬が見えるVol.2MEDIC MEDIA
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