「ばい菌」という言葉を聞いただけで、嫌だなぁと思う人も多いと思います。
 
「ばい菌」は「雑菌」とも言い、人間の意図に反して増殖した微生物(特に有害な細菌や菌類、ウイルス)の総称です。
 
「ばい菌」は「黴菌」と書きます。難しい漢字ですね。
「黴菌」の「黴」は、微生物の「微」に「黒」が合わさってできた漢字で「カビ」を意味します。
この漢字は、黒いカビに微(かす)かな毛が生えていることを意味する漢字です。
梅雨や梅毒などの「梅」も、もともとは「黴」なんだそうです。
 
「細菌」と「カビ(真菌)」と「ウイルス」は性質上違います。
「細菌」は単細胞、「カビ」は多細胞、「ウイルス」は細胞構造のない非生物です。
大きさは ウイルス<細菌<カビ の順。
 
使用するお薬もそれぞれ違います。
ウイルスには『抗ウイルス薬』、細菌には『抗菌薬・抗生物質』、カビには『抗真菌薬』を使います。
(ちなみに抗菌薬は「人工合成の化学物質」と「微生物が産生した化学物質」をいいます。
抗生物質は「微生物が産生した化学物質」のことです。抗生物質は抗菌薬の一種ということです。)
そのため、「ばい菌」へのお薬の使用は、原因がウイルスなのか、菌なのか、カビなのかで変わります。きちんと使用しないと効果が期待できませんし、副作用発現の原因にもなるので注意しましょう。
 
参考文献:ちゃぶ台のちゃぶって何だ?ヘンな「呼び名」のおかしな由来(素朴な疑問研究会[編])
 
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