女性は、自身が妊娠前の投薬は気にしても、相手(男性)の投薬の影響はあまり気にしないのではないでしょうか。
薬剤の中には、「精子の形態異常を引き起こすもの」や「精液を介して母体に移行するもの」があります。ただ、そのようなお薬でも妊娠への影響は『ごくわずか』と考えられています。
(ただし、サリドマイド、レナリドミド、リバビリンなどの強力な催奇形性のある薬は十分な注意が必要です。)
以下は、添付文書における男性側への注意がある薬剤です。
・サリドマイド(抗多発性骨髄腫薬)
母体が服用した場合に催奇形性がある。
精液中に移行しやすいため、投与中及び投与終了4週間後まで避妊(コンドームなど)を徹底する。
・レナリドミド(抗造血器腫瘍薬)
サリドマイド誘導体で、催奇形性の可能性あり。
精液中に移行しやすいため、投与中及び投与終了4週間後まで避妊を徹底する。
・リバビリン(抗肝炎ウイルス薬)
母体が服用した場合に催奇形性がある。(体内にも残留しやすい薬)
精液中の移行を否定できない。
精巣・精子の形態変化を起こしうるため、投与中及び投与終了少なくとも6か月間は避妊すべきである。
・エトレチナート(抗乾癬薬・ビタミンA)
精子形成能に異常をきたす。(動物実験)
投与中及び投与終了少なくとも6か月間は避妊をすべきである。
・コルヒチン(痛風治療薬)
男性が服用した場合、先天異常児が出生する可能性がある。
・ガンシクロビル(抗サイトメガロウイルス薬)
催奇形性がある。(動物実験)
投与中及び投与終了90日間は避妊をすべきである。
・アザチオプリン(免疫抑制剤)
投与中、リンパ球に染色体異常を持つ児が出生したとの症例報告あり。
催奇形性がある。(動物実験)
投与中は避妊をすべきである。
妊娠前の投薬は、男性も注意しましょう。
参考資料:薬が見えるVol.2(MEDIC MEDIA)
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