あなたは「てんかん」についてどこまで知っていますか?
 
「てんかん」は大脳神経細胞が過剰に興奮することで起きる、『けいれん』などの発作症状を『反復』する慢性中枢神経疾患です。(1回だけのけいれんは、(脳波異常がない限りは)てんかんとは言いません。2回以上繰り返した場合「てんかん」となります。)
 
「てんかん」に関与する神経系は2本あります。
「グルタミン酸神経系」と「GABA神経系」です。
「グルタミン酸神経系」は『興奮』に関与するシグナルを伝達する神経系(いわば「アクセル」)で、「GABA神経系」はその興奮を『抑制』するシグナルを伝達する神経系(いわば「ブレーキ」)です。
正常な状態は、興奮シグナル(アクセル)と抑制シグナル(ブレーキ)のバランスが取れていますが、「てんかん」の状態はそのバランスが崩れ、『興奮シグナルの過剰亢進(アクセルの強すぎ)』や『抑制シグナル(ブレーキ弱すぎ)の減弱』により、過剰興奮が起き、「けいれん」が起こるというわけです。
 
「てんかん」は、人口約100人中1人が発症、乳幼児期~思春期、高齢者で発症しやすくなっています。(7080%の人は薬物治療で寛解しますが、2030%の人は難治性です。)
 
「てんかん」の症状は、『けいれん』だけではありません。
他に、意識障害、自動症(体が勝手に動く)などの運動障害、しびれ、幻覚・幻聴などの感覚症状、発汗、頻脈などが発作的に生じるものもあります。
 
以前、「てんかん」での交通事故がニュースなどで取り上げられていました。
2002年度以前の道路交通法ではてんかん患者は運転免許取得ができませんでした。
しかし、今はてんかん患者も自動車運転は認められています。(条件あり)
 
病気を理解することは、いろいろな面から状況を見ることができます。
「てんかん」は発症患者の多い疾患です。
「てんかん」を持っていない方も「てんかん」の理解を深めましょう。
 
参考資料:薬が見えるVol.1MEDIC MEDIA