薬局に行ってお薬をもらい、お薬代金を支払う。
支払うときになって気づく「あれ!?お金がない!」。
そんなことありませんか?
ついうっかりなんてことは誰にでもあることです。
そんな時は「次回でいいですよー」とか言われるので、安心して後日お支払いをしていただければいいことです。
しかし、それが意図的に・・・なんて現実も少しはあります。
薬局に限ったことではありませんが、医療費の未払いはどこの医療機関も少々頭を悩ませています。
薬剤師には「応召義務」というものがあります。薬剤師は「正当な理由がなければ」調剤の求めに応じることが義務付けられています。(薬剤師法第21条)
ですので「お金がないから支払えない!」という理由で「調剤しない!」という行為は、現在「正当な理由でない」と考えられています。
しかも「応召義務」には罰則規定はないですが、「薬剤師としての品格を損するような行為」がある場合、厚生労働大臣により「戒告・ 3年以内の業務停止・免許取り消し」という処分を受ける可能性があります。(薬剤師法第8条第2項)
また、「薬剤師の調剤に関する債権」は3年間で時効消滅します。(民法第170条第1号)
未払いが続いても正当な理由がなければ薬剤師は強く出れない現実があります。
ちなみに、うちの薬局でも現在6名の未払いの方がいます。合計金額は15360円(3割自己負担分)です。なかなかいい感じですねぇ。
古いデータですが、2008年の医療費の未収額は国全体で136億円にもなります。しかし、これといった解決方法はないためか、年々増加傾向にあります。
もう少し国が関与し取り締まりを強化すれば、医療費の削減にも十分貢献できるのに!と思うのですが、対策は後回しにされています。(問題にすらなっていないのかも!)
また、未払い常習者も中にはおり、そのような人は医療機関を転々としています。(そういう方は雰囲気で大体わかりますが、拒否できないんですよねぇ。)
ここまでくると金額の問題ではありません、個人のモラルの問題ですよね。
国民医療費はみんなのものです。大切に使うこと、そして自己負担もそれぞれ平等に支払うことが望まれます。
医療費未納の現実を少しでも知っていただけると嬉しい限りです。
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