皆さんは「夜と霧」という本を読んだことがあるでしょうか?
 
この本は、精神科医のビクトール・フランクルという人が書いた本で、ナチス時代の収容所(アウシュビッツやダッハウ)に本人が収容されたときの、自分や周りの人間の観察記録を基に書かれた本です。
自分は新版と関連本を2冊、計3冊読みました。
生きる意味とはなにか、おびただしい小さな苦しみの中それでも希望を失わない人間の姿の存在などなど、難しかった部分もありましたが読んでよかったと思えた本です。
 
近年、心の病は当たり前の病気になり、たくさんのお薬も出ています。
しかし、医師の考え方もそれぞれで、統一した治療法がありそうでない。
個々の治療を時間をかけしなければならない、難しい分野ではあります。
自分も何年か精神科で働いていましたが、一筋縄ではいかない、そんな気持ちがありました。
 
思ったことはありませんか?
私はなぜ生きるのか?
なぜこのように苦しまなければならないのか?
と。
生きるうえで行き詰まりを感じるときはどんな人間にも必ずあります。
 
フランクルは『生きる意味についての問いを180度方向転換すべきだ。私たちが生きることから何かを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることが私たちから何を期待しているかが問題なのだ、・・・生きる意味を一般論で語ることはできないし、この意味への問いに一般論で答えることもできない。』ときっぱり言っています。
人生を問うのではなく、人生からの問いに答える、シンプルですがなかなか重くガツンとくる言葉ですよね。
 
もうすぐ死ぬということがわかっている若い女性と木の話なども短いですが深いです。
 
東日本大震災の後、この本を読んで支えられた方も多くいると聞きます。
まだ読んでいないけど気になる!という方はぜひ。