「感染症」についてどれだけ知っていますか?
全ての「感染症」が「咳」や「くしゃみ」からうつるのではありません。
物に触れたり、動物によってうつる場合もあります。
中には怖い「感染症」もあります。どんなものがあるのか少し見てみましょう。
①主に「咳」や「くしゃみ」でうつる感染症
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
ほっぺたがおたふくのようにはれてしまう。難聴(片耳が多い。)になることも。
特効薬はない。
・風疹
「子供」や「妊婦さん」は注意が必要。『予防』がとても大切。
麻疹とともに予防しよう!
・インフルエンザ
毎年話題になる病気。発熱で使用する『解熱鎮痛剤』は注意が必要。
・RSウイルス感染症
免疫を作れないため何度でも発症する場合がある。
赤ちゃんは重症化する場合もあるため注意が必要。
特効薬はまだないが『消毒』が苦手。
・水疱瘡
全身に水膨れ。大人は「帯状疱疹」。
かゆいため皮膚に傷をつけないためにも手をきれいにしたり爪を切りましょう。
・リンゴ病
頬がリンゴのように赤くなる。症状が出る前にほかの人にうつるため予防が難しい。
「妊婦さん」は注意が必要。
・MERS(マーズ)
中東地域(ラクダから人へ。)から広がった重症肺炎。特効薬もない。
日本ではまだ患者はいないが時間の問題。
・A群溶血性レンサ球菌感染症
舌が赤くなりぶつぶつができる。「とびひ」を起こすことも。
劇症化し、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」になると約3割の人が亡くなる。
・マイコプラズマ肺炎
乾いた咳が長引く肺炎。重症化すると「気管支炎」や「重症肺炎」になることも。
・結核
昔の国民病。今でも2000人以上が結核で亡くなっている。
免疫力が落ちていると症状が出やすくなる。
薬が効きにくくなった「スーパー結核」も存在。
②主に「人」や「もの」に触れてうつる感染症
・プール熱(咽頭結膜熱)
昔、塩素消毒していないプールで大流行。今はビニールプールなど。
同じタオルは使わないほうがいい。5歳以下がかかりやすく、特効薬はない。
・手足口病
手や足や口に水ぶくれ。
発疹が消えてもしばらくは便と一緒にいるため、「手洗い」は必須。
・急性出血性結膜炎
目が充血して目がごろごろする。
1960年ごろ(アポロ11号の月面着陸)大流行。「アポロ病」ともいう。
・エイズ(後天性免疫不全症候群)
免疫力が落ちたときに発症する感染症(日和見感染症)。
性行為による感染が一番多い。
保健所で無料、無記名の検査ができる。
・エボラ出血熱
もともとは蝙蝠にいたウイルス。亡くなる危険性は30~90%。
感染した患者のいる家族や医療関係者が移ることが多いため特に注意が必要。
・ポリオ(急性灰白隨炎)
日本にはもういないが、海外にまだ存在する。人にしか感染しない。
重症化するとマヒが残る、呼吸困難で亡くなることも。
・とびひ(伝染性膿痂疹)
あせもや虫刺されでできた傷から侵入。
かゆいため、かきむしるとあちこちに「飛び火」する。
・アタマジラミ
頭がとてもかゆくなる。毎日卵を産み、1か月で100個くらいになる。血が好き。
③主に「食べ物」や「飲み物」からうつる感染症(食中毒)
・ノロウイルス感染症
1年中発生する。下痢や嘔吐の症状が出る。
特効薬もないため、カキなどの二枚貝は十分火を通して食べましょう。
・腸管出血性大腸菌感染症(O-157など)
生焼けの肉に多く存在。感染力が強いので数が少なくても発症する。
「下痢止め」使用は逆効果になる場合があるので注意が必要。
・コレラ
脱水症状に注意が必要。
重症化すると、目が吊り上がり、独特の顔つきになる。(コレラ顔貌)
・サルモネラ感染症
ひび割れた卵や生焼けのお肉に存在。様々な動物が感染源になる。
熱には弱いが、「乾燥」や「低温」には強いため注意が必要。脱水症状に注意。
④主に「動物」や「昆虫」からうつる感染症
・デング熱
蚊によって感染。2014年に日本でも感染者が見つかる。
4つの型があり、最初に感染したのとは違う方に感染すると重症化(デング出血熱で亡なる場合も。)しやすくなる。
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
マダニによって感染。2011年に中国で見つかったばかり。
・狂犬病
犬はもちろん、犬以外からも感染する場合がある。日本では江戸時代に大流行。
感染すると「水」や「風」を怖がるようになるという症状が出る。幻覚も見える。
感染者はほぼ100%亡くなる。
・鳥インフルエンザ
人にも感染する鳥のインフルエンザ。人間が感染すると約50%の人は亡くなる。
10~20代の人は重症化する場合が多い。
渡り鳥が運んでくる可能性もある。
・ペスト
感染したネズミの血を吸ったノミから感染。
中世ヨーロッパで大流行した。
症状には3種類(腺ペスト、敗血症ペスト、肺ペスト)ある。
・マラリア
世界で年間約2億人が蚊を介して感染。
4つのタイプがあり、中でも熱帯熱マラリアが重症になりやすい。早期治療が大切。
「感染症」は人にうつる病気です。
自分がかからないようにするのはもちろん、万が一感染してしまったら「人にうつさない」ことも大切です。
参考資料:感染症キャラクター図鑑(日本図書センター)