お薬には「有効期限」があることは以前お話ししました。
さて、有効期限が切れたお薬はどうなるのでしょうか?
 
ほとんどのお薬(錠剤の場合)は販売最小包装で1100錠入っています。
処方があれば箱から取り出し、必要なお薬の数だけ消費します。余れば、保管します。
28錠使えば72錠残ります。56錠使えば44錠残ります。当たり前ですね。
お薬が余るということ、それは薬局の『在庫』として残るということです。
『在庫』が残ると薬局は少々大変です。
『在庫』は資産になりますので、その分の『税金』が発生します。
『税金』を払うことは企業の役目ですので払うことは当たり前です。
しかし、『在庫』には有効期限があります。
『在庫』は利益を生みません。その『在庫』の有効期限が過ぎると『破棄』しなければいけません。
ということは『在庫』が多い薬局は、有効期限前は『税金』を払い、有効期限が過ぎるとその分の利益を確保できない、最悪つぶれてしまうということです。
〇〇のように、お薬が余っているからスタッフ一同で買い取っておいしく飲もう!とか、○○みたいに、回収して再利用しよう!とはできません。てか、しません(><)
 
以前から『薬局は儲かる』とよく言われます。
なぜかわかりません。
お薬は高いからでしょうか?
そりゃ高いお薬だってたくさんあります。
11000円超えるものだってたくさんあります。
そのお薬、売れれば利益が出るとは限りません。そのようなお薬は頻繁に出ませんから。しかも余れば『破棄』、利益にはなりません。
ですので、薬局は日々『在庫』との闘いです。
返品もできますが、箱から出していない状態だけ返品できます。封が開いたらできません。
患者さんのことが第一優先は当たり前ですが、『在庫』を出さないように常にアンテナを張り、季節(時期)を考え、毎日お薬を仕入れをしている薬局は多いのではないでしょうか。
『薬局は儲かる』とは言えないと思います。(第一、人の不幸で儲けようとも思いません。)
 
ちなみに以前、お薬の有効期限が伸びたということがありました。
タミフルとリレンザの有効期限は、発売当時は1年、それが7年に延長され、そして今では10年になっています。
このように、お薬の有効期限って少々あいまいなところもあります。
しかし、このような期限延長によって破棄されるのを防ぐことも、無駄をなくし、国の医療費削減に貢献できます。
 
お薬の有効期限を気にした際は、薬局の日々の在庫との闘いと、国の医療費削減も気にしていただけると幸いです。
 
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