あなたは「アレルギー」のことをどこまでご存知でしょうか?
「アレルギー」の歴史は古く、紀元前27世紀にエジプトのメネス王が蜂に刺されて死亡したという古代エジプト象形文書に始まるといわれています。
1902年には「アナフィラキシー」、1906年には「アレルギー」という言葉が生まれ、1920年には「アトピー」という言葉が生まれました。「アレルギー」より「アナフィラキシー」が先に命名されたんですね。
さて、「アレルギー」は大きく分けると5種類もあります。
①I型アレルギー:IgEが関与。代表的な疾患としては、蕁麻疹、PIE症候群、食物アレルギー、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックがあげられる。
②II型アレルギー:IgMやIgGが関与。代表的な疾患としては自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、不適合輸血、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、悪性貧血、リウマチ熱、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、橋本病、円形脱毛症があげられる。
③III型アレルギー:可溶性抗原とIgM、IgGが関与。代表的な疾患としては血清病、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)、急性糸球体腎炎、関節リウマチ、過敏性肺臓炎、リウマチ性肺炎、多発性動脈炎、アレルギー性血管炎、シェーグレン症候群があげられる。
④IV型アレルギー:抗体は関与せず感作T細胞やマクロファージが関与。代表的な疾患としては接触性皮膚炎、ツベルクリン反応、移植免疫、金属アレルギー、腫瘍免疫、シェーグレン症候群、感染アレルギー、薬剤性肺炎、ギラン・バレー症候群があげられる。
⑤V型アレルギー:基本的な機序はII型アレルギーと同じ。代表的疾患はバセドウ病。
身近なアレルギーは①ですね。
このように「アレルギー」はたくさんの種類があり、3人に1人は何らかの「アレルギー」を持っているともいわれています。
「アレルギー」は多種多様で、しかも、乳幼児から高齢者まで幅広い方が引き起こす可能性があるため、全年代の全アレルギー疾患を一人の医師がカバーすることはほとんど不可能な状況です。
そのため、アレルギーがいざ出た場合、的確な受診、的確な処置が必要となります。
アレルギーかな?と思った方は、できる限り最初から症状に合った受診をしましょう。
アレルギー疾患の予防・治療の原則は、原因アレルゲンに対する暴露からの回避、すなわち「君子危うきに近寄らず」だそうです。
このことは特に①に言えることでしょう。花粉症ならマスク・手洗い・近寄らないなど、金属アレルギーならつけない、食物アレルギーなら食べないと、ごく当たり前のことをすればいいということです。
何にしろまずは「予防」が大切ということです。そしてそれでもだめなら治療(薬物使用)と考えたほうがいいでしょう。
参考URL: