「便秘」と一言で言っても、「便秘」にはいろいろな種類があるのをご存知でしょうか?
「便秘」は、大きく2種類に分けることができます。
①器質性便秘
②機能性便秘
①の「器質性便秘」とは、消化器官(胃、小腸、大腸など)の機能低下が原因で便秘になるものです。「一過性便秘」と「習慣性便秘」に分けられます。
「一過性便秘」は、常習化や慢性化の危険性が少ないタイプの便秘です。食生活の変化(偏った食事など)、環境の変化、ストレスなどが原因で発症するケースが多いようです。
「習慣性便秘」は、これまた3種類に分けることができます。「弛緩性便秘」と「痙攣性便秘」と「直腸性便秘」です。
「弛緩性便秘」は、大腸のぜん動運動が弱くなったり、筋力の低下で便を押し出すことができなくなるために起こる便秘です。高齢者やお産を経験したあとの女性に多いです。
「痙攣性便秘」は、心理的ストレス等により、自律神経が乱れ、腸のぜん動運動が強くなりすぎてしまったために起こる便秘です。このタイプの人は、下痢と便秘を交互に繰り返しておこる場合があります。
「直腸性便秘」は、便が直腸に到着したにもかかわらず、便意が伝わらないために起こる便秘です。便意をがまんすることでおこる場合があります。
②の「機能性便秘」とは、腸閉塞や、腸捻転、大腸ガンなど腸の腫瘍・閉塞・炎症などにより腸の通りが悪くなるためにおこるものです。
「便秘」の定義は学会で少しずつ違いがあります。
①日本内科学会
「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」
②日本消化器病学会
「排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔が不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指しますが、明確な定義があるわけではありません。問題となるのは排便困難や腹部膨満感などの症状を伴う便通異常=「便秘症」です。」
③国際消化器病学会(RomeⅢ)
・排便回数が週3回未満
・硬便が排便時の25%以上(4回に1回以上は硬い便)
・用指的排便(指や綿棒などを用いて強制的に排便させる行為)が25%以上
・努責(排便時に強くいきむこと)、残便感、閉塞感がみられる頻度が25%以上
以上の症状が6ヶ月前から少なくとも3ヶ月で基準を満たす場合に慢性便秘
「便秘」はいろいろな症状も引き起こします。肌荒れや冷え性、胸やけ、腹痛などです。
「便秘」の治療はまず「医師に相談」、そして「生活習慣の改善」と「食生活の改善」が大切です。
「薬物療法」は最終手段と考えていただきたいです。子供の便秘も安易な薬物使用は避けたほうがいいでしょう。
「便秘」には先述した通りいろいろな種類がありますので、その症状に適した薬物を使用しないと効かなかったり悪化させたりしてしまう恐れがあるからです。
「便秘」にお困りの方は、まずは「便秘」のことを知り、それから医師の指導の下、自分に合った対処法で解消しましょう。
余談:
ロダンの彫刻「考える人」のポーズをとると便が出やすくなるといううわさもあります。
海外ではSquatty Potty(洋式トイレ用足置き台)が大人気だそうです。
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