皆さま

梅雨に入ると、空がどんよりと曇り、雨が続く日々が訪れます。
窓の外の景色もどこか重く、心身にも微妙な変化が現れる季節です。
体がだるい、気分が晴れない、いつもより夢見がちになる――そんな違和感を覚える方も少なくありません。

この時期、日本人は古くから「水の気」を敏感に感じ取り、雨や湿気に特有の霊的な気配を生活の中に見出してきました。
 

祓いの儀式や神事も、この水無月に合わせて数多く行われてきたのは、単なる季節の巡り以上に、“魂を調律する必要”を私たちの祖先が感じ取っていたからかもしれません。

今回は、梅雨の時期に高まる「水の気」と霊性の関わりについて、巫師としての体験や知恵を交えながら、深く掘り下げていきたいと思います。



日本の梅雨と“水の気”の霊的感受性

日本の気候は、水と共にあります。
田植えの季節、梅雨の湿り気、川や湖、そして雨のしとしとと降る音――これらは、日常の中に溶け込んでいます。
 

古来より水は、清め・浄めの力を持つと信じられ、神事や祭祀には必ずといってよいほど「水」が使われてきました。

特に梅雨の時期は、田畑を潤すだけでなく、“気”の巡りや魂の調律を促す特別な期間です。


日本人は雨や湿気の中に、龍神や水神といった見えない存在の気配を感じ、神社では雨乞いや水無月の大祓いなど、水にまつわる多くの行事が行われてきました。

水は、ただ流れるだけではありません。
 

水は場を清め、人の心を鎮め、魂の奥に滞ったものを解き放つ力を持っていると、私は考えています。
 

梅雨の雨音は、ときに魂に寄り添い、ときに静かに祓いをもたらしてくれる――
この時期に“水の気”をどう受け止めるかが、私たちの心身にも大きな影響を及ぼすのです。



梅雨に現れる“霊的な現象”

梅雨の時期になると、空気や場の気が普段よりも重く感じられることがあります。
家の中が湿っぽくなり、何となく空気が滞っている、気持ちまで沈みがちになる――
そんな感覚を持つ方が多いのではないでしょうか。

この季節、私のもとには「家族同士の些細な衝突が増えた」「よく眠れない」「胸騒ぎが続く」といった相談が届きやすくなります。
 

また、雨が続くことで、日中の光が弱まり、無意識のうちに気分が沈んだり、心身のバランスが崩れやすくなったりもします。

特に梅雨は、心の中に秘めてきた悲しみや未消化の思いが、ふと浮かび上がりやすい時期でもあります。


夢の中に忘れていた人が現れる、過去の記憶が急に蘇る、何でもないことで涙が出る、こうした現象もまた、“水の気”と魂が共鳴して起こるサインと考えられます。

大切なのは、「何か悪いものが外から来た」と恐れるよりも、
この時期は自分自身の魂や感情が敏感になっているのだと受け止め、
心身をゆっくりと整え、必要な休息や祓いを意識的に取り入れることです。

梅雨に現れる“霊的な現象”は、外からの侵入というよりも、
「場の気」や「内面の揺らぎ」が強調されることによる魂の反応――
そう理解していただくことが、より健やかな日々につながります。


水の気と“魂の共鳴”――なぜ不調が起きるのか

梅雨の季節に心身の不調を感じやすいのは、単に天候のせいだけではありません。
 

人の魂は、「水の気」と深く結びついており、湿度や気圧の変化、雨音や空の重さといった環境要因が、魂の奥深くにある感情や記憶と共鳴しやすくなる時期なのです。

たとえば、ふだんは気にも留めていなかった悲しみや喪失感、誰にも言えない後悔や未練――
 

こうした思いが、梅雨の湿り気と響き合い、心身に重さとして表れることがあります。
 

また、魂に小さな隙間やひび割れがあると、外界の“水の気”がそこに沁みこみ、不安定さや不調を引き寄せやすくなります。

これは決して特別な現象ではなく、どなたの心にも起こりうる自然な反応です。
 

魂の奥にある“水”のエネルギー

すなわち、感情の流れや記憶の蓄積が、梅雨の時期にはいっそう敏感に反応し、

夢や気分の揺れ、体調の変化となって現れるのです。

こうした共鳴は、見方を変えれば“魂の掃除”ともいえるかもしれません。
 

ふだんは表に出てこないものが、この季節に浮かび上がるのは、魂が自身を浄め次の季節へと調律しようとしているからです。

梅雨の不調や揺らぎを単なる悪いものととらえず、
魂が“水の気”と響き合い、内側から調整しようとしているサインと受け止めてみてください。



巫師の現場から――梅雨時期の祓いと整え方

梅雨の時期になると、私のもとにも「家の空気が重い」「家族が落ち着かない」「体がだるくて気分も沈む」といったご相談が増えてまいります。
 

この時期は、湿気や曇り空が“気”の流れを滞らせ、場そのものが重く感じられることも珍しくありません。

こうしたとき、巫師としてまず大切にするのは、「場」の浄化です。
晴れ間がのぞいた日には必ず窓を開け、風を通して湿気を外へ逃がします。
また、塩や酒、水を使った簡単な清めの作法も効果的です。
 

家の四隅や玄関、台所などに粗塩を置いたり、神棚や仏壇の水を毎日新しくしたりするだけでも、場の気がすっきりと整いやすくなります。

また、梅雨時期は無理に活動を増やそうとせず、自分の心身の“静けさ”を大切にすることも重要です。


心が落ち着かない時は、静かに呼吸を整え、雨音や風の音に意識を向けてみてください。
 

こうした自然の音は、魂を鎮め、内側の揺らぎをやわらげてくれる力があります。

祓いや清めの作法は、決して難しいものではありません。
家や自分自身に「ありがとう」「おつかれさま」と声をかけるだけでも、
その思いが気を整え、重たさを和らげてくれることがあります。

梅雨の時期は、特別な霊的現象が起こるというよりも、
日常の中の小さな“気の乱れ”や“場の重さ”に、少しだけ手をかけ、
魂を整える時間を持つことが大切です。

 



水の気に身を委ねる知恵

梅雨の時期は、「早く晴れてほしい」「この重さから抜け出したい」と、どうしても抵抗したくなるものです。


けれども水の気には“流れ”や“巡り”の力があります。
 

むやみに抗うよりも、この時期の空気や雨、湿り気そのものを「今だけの流れ」と受け入れ身を委ねてみることも、魂を整える大切な知恵です。

水は、溜めこむと濁り、流れることで清らかさを保ちます。
 

心の中にたまった思いや悲しみも、梅雨の雨に合わせて、少しずつ流していく意識を持つことが魂の健やかさにつながります。
 

時には雨の音に耳を澄ませ、自分の感情や思いを“そのまま”感じてみてください。
 

涙が出たならそれもまた自然なこと。水の気が魂をやわらかくし、奥にあったものを外へ流そうとしているサインなのです。

この季節は体や心の揺らぎが強まるぶん、無理をせず自分自身の“内側の声”を大切にすることをおすすめします。
 

外を晴れやかに保つことよりも、内なる流れが滞らないように、静かに整える――
それこそが、梅雨の“水の気”と調和して生きるための智慧なのです。

■唱え言葉

水無月の雨よ、
すべての憂いを洗い流し給へ。
魂の底に澱むもの、
静かに流れ、澄み渡り給へ。
天地の水の氣、
我が身我が家に満ち満ちて、
直き心を整へ給へ。



雨の季節に、魂を澄ませるということ

梅雨は、ただ耐えるだけの季節ではありません。
 

水の気が高まるこの時期こそ、魂の奥にある思いや記憶が静かに揺れ動き、
私たち自身と向き合うための大切な時間なのだと、私は感じています。

雨の日には無理に明るさを求めず、
時に重さや憂いをそのまま受け入れながら、
自分自身の魂と静かに向き合ってみてください。

水の流れに身を委ね魂の巡りを整える。
それが梅雨の季節を健やかに、深く生き抜くための巫師の智慧です。
 

麗月より
謹んで、心よりの再拝を申し上げます。


夜道を照らす月明かり
迷える人の道しるべ
声なき声に耳を寄せ
夢と現のあわいまで
静かに祈る言の葉よ

 

 

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