皆さま

 

巫師の世界については、地域によって異なるスタイルがあるように思います。今回は、四国の巫師の活動についてより踏み込んだ話をいたします。

 

よろしくお付き合いくださいませ。

Q.四国では、呪術を駆使している人たちが今も存在するというお話がありますが、そのあたりから伺えますか。


A.現在でも四国では、「意識エネルギー」を行使して祈祷や呪術的な実践を行っている人たちが多く存在します。その系列は多様なのですけれど、霊媒師や祈祷師も含めて「巫師」と呼ぶことにします。昔は「タユウ」と呼ばれていた人たちですが、その多くは地域に密着して活動していています。


四国であればご近所の顔なじみ、代々御用達といった巫師がいます。基本的には特定の宗教団体に所属せず、個人で活動する人たちです。私たちもその中に入ります。


Q.巫師のところに行くと具体的にどのようなことをするのでしょうか。


A.一般例でいえば、まず「霊的相談」からはじめます。そこでは死者との対話はもちろん、土地とか、家・先祖に関する因縁とか、そういったものを扱います。リアルタイムで、どこに、亡くなっただれがいるとか、どんな生霊・死霊が憑いているとか、あるいは憑ついていないとか、そんなこともわかります。


悪霊が憑ついていて、その人に〝障り〟を与えているのであれば、その場で祓うこともします。


それから場合によっては病気平癒、運気向上などの祈願&祈祷を行います。この辺は神社で行われているのと同じような種類の祈祷になりますね。「障り」がある場合は100%解決できますが、運命に関することは、ご本人の意志の力による場合もありますし、宿命になると変えることが難しい場合もあります。ただ、神仏の力を借りることにより、運気の流れを変えることはできます。


Q.巫師には若い人も相談に来ているのでしょうか。


A.若い人は多くはありませんが、中には占い感覚で利用する人がいます。今は巫師という看板ではなくて、占い師という看板でやっているような人もいたりするわけです。

若い人はどちらかというと、占いというほうに惹かれるんですね。巫師(霊媒師、祈祷師)と言うと引いてしまう人もいますから。だから、占い感覚で、自分の恋愛運であるとか、縁結びに関する祈願とか、そんなようなことを依頼する人もいます。

ただ、相談に来る主流を考えると、年齢層がもっと高いし、内容も深刻なものがほとんどです。圧倒的に多いのは「恨みつらみ」に関することですね。私たちの場合でいえば、例えば女性の場合で多かったのが嫁姑問題です。

以前、ある女性から、「姑が憎くてしかたがないので殺してください」という依頼がありました。成功報酬として二億円出すというのです。いろんな巫師のところに行って拝んでもらったけれども、効果がなかったといって。「お宅はどうなんですか。できるんですか」というのです。


神仏の目に照らし合わせてできないことはできないとお断りした上で、そんなことをやったら、必ず自分にも返ってくるからと諭したのですが、もう頭の中はそれでいっぱいだから、こちらの話なんか聞きいれないですね。「ほかをあたる」といって帰っていきました。
 

相談内容としては、ほかにも職場・学校のいじめ、不登校、近隣のトラブル、それから健康問題ももちろんあります。あと行方不明の子供を捜してくれというのもあったし、子どもが自殺未遂を何度もやっているので何とか止めてくださいというのもありました。


事業関係も、もちろんあります。事業が追い詰められていて、ライバルにじゃまされて、にっちもさっちもいかない、どうすればいいんでしょうかという相談などです。
 

それぞれ、かなり深刻な悩みになります。

 

Q.すると巫師の役割は町のよろず相談所といった感じでしょうか。

A.私たちの感覚で言うと、巫師は一種のセラピストであり、カウンセラーなのです。祈祷自体が「補完・代替療法」(CAM)の一種に分類されることもあります。

 

ただし、祈祷が通用するのは霊的な障り、あるいは霊的な危機の場合のみです。「普通の病気」はいくら拝んでも治りません。


でも巫師の世界というのは相手の幸福を願う「祈祷」という表の部分だけでなく、「呪い」という裏の面もあります。


以前にも述べたとおり、私たちはあるきっかけから巫師の道に入り、その世界を自ら体験してきました。そこには今の世の中でこんなことがあるのかと目を疑うような世界が広がっていたわけです。同業者同士で術のかけあい、つぶしあいを平気でやっているのですから。


Q.なぜそんなことをするのですか?
 

A.たとえば、新しく巫師の世界に入ってきた人物がうまくやっているからと嫉妬して呪詛をかける。あるいは、自分の信者がほかのところに移ったからといって、相手を呪詛するなどということです。

嫉妬により呪詛をされてしまった経験なら星の数ほどあります。随分前の話になりますけれども、まだ巫師の世界に入った頃でした。

 

それはなぜわかったかというと、とにかく体の状態が尋常じゃないんです。体が重だるくなって息苦しくなり、刺すような痛みがきたり、異常な眠気が起きたりするのです。それも毎日丑三つ時(午前2時前後)に突然起こるわけです。これはその時間に「見えない敵」が拝んでいて、生霊を飛ばしていたのですね。
 

このときは呪詛返しをして跳ね返し、元気になりました。

 

「挨拶代わり」のようなモノですから、一々騒いだり反応することもありません。これが日常の一部という感覚になっています。


巫師の世界ではこうしたことが平気で行われているというのが事実です。それはもう壮絶な世界ですよ。


Q.特に印象的だったことはどのようなことですか。
 

A.たくさんありますが、ひとつ挙げるなら前にも述べた超弩級の呪詛合戦ですね。
ある新興宗教の脱退者が泣きついてきて、こっちが巻き込まれる成り行きでことがはじまりました。


相談者はある新興宗教に入っていたのですが、体の悪いところが悩みで、その教団で何度も祈祷を受けていたそうです。しかし、一向に状態は改善されない。それどころか心身の状態が悪化し、生活上のトラブルも続くようになっていたそうです。
 

ある日、たまたま縁があってうちの祈祷所にやってきたんですね。それでうちで霊視・祈祷をしたところ、一気に回復してしまった。そうなれば誰でもそのような教団はやめたくなります。ところが、その人がやめたとたん、5、60人の人がその人に同調してやめてしまったというのです。
 

教団側は怒り狂い、幹部が直接うちの祈祷所に乗り込んできて「信者を返せ! 手を引かないと命をとる」とはっきり宣告布告してきたのです。
 

一方でその信者にも「この巫師に関わったら1週間以内に命がなくなるぞ。こんなヤツをつぶすのは赤子の手をひねるようなものだ」と脅したそうです。
 

その教団には専属の祈祷師が何人もいますから、集団で呪詛をかけてくるのです。
 

こちらとしては、無用な争いは避けたいわけですけど、そのままにしておくと命に関わることになりますので返しました。


すると、高熱にうなされ、気管支炎で呼吸器系をやられ、大変な事態になりました。本当に完全にダウンする直前まで行ってしまったのですが、最後に、一発逆転の賭けに出て、最後の気力を振り絞って、拝み倒したのです。
 

そうしたら相手の祈祷師が交通事故にあって瀕死状態になり、向こうから「これ以上はやめましょう」と電話がかかってきました。それで手打ちになったという経緯です。 
 

――なんともすごいですね。

 

因果関係を証明することができないし、陰でやっていることですから事実関係はあいまいになりますが、術に自信のある巫師の中には「力試し」のつもりで攻撃をしてくる輩がいます。

 

それがどこかの宗教団体がらみになってくると、無差別攻撃になることもあります。

 

こうした経験をすることで、無用な争いやトラブルを回避する知恵も身につくようになって、今はこのようなエピソードも笑い話になるほど無縁になりましたね。

 

 

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