令和5年11月23日
乙酉 三碧 開 斗 新嘗祭
干支、五行と日本昔話(続)
前回の話が好評だったようなので、続きを書くことにします。
犬と言えば、花咲かじいさんの寓話を皆さまも知っていますね。
この話の中にも干支と五行のシンボルが隠されています。
こじつけではないので、素直に聞いて下さい。
正直じいさんが連れていた犬(土気)の「ポチ」(元は名前はありません)が畑(土気)で「ここ掘れワンワン」と吠え、掘ってみると宝物(金気)が出て来ます。
正直じいさんは(生気)、生きている人間です。
それを見ていた隣の欲張りじいさんが同じように掘るとガラクタ(割れた瀬戸物、妖怪など)が出て来ました。
それで怒って犬を殺してしまいました。(元の話は残酷です)
それを悲しんで正直じいさんは犬を裏山(土気)に埋めて墓を作り、木の墓標(木気)を立てて埋葬したら、ぐんぐん大きくなって立派な大樹になりました。
犬のポチが現れて木を切って臼にして欲しいといい、その臼で餅をついてみたら、中から大判小判(金気)がザクザクと出てきました。
それを見ていた欲張りじいさんは正直じいさんから、その臼を借りて餅をついてみたら、またガラクタが出て来ました。
それで、欲張りじいさんは怒って臼を焼き(火気)、それを見ていた正直じいさんは悲しんで、その灰を集めて「枯れ木に花を咲かせましょう」と、灰(土気)を枯れ木(木気)に撒くと花が咲きました。
それを見ていた殿様が見事だと言って正直じいさんは殿様から褒美をもらいました、という話です。
陰陽の力を用いる時、まず白い犬から始まり(土気)⇒正直爺さん(生気)⇒「ここ掘れワンワン」(土気)⇒臼(木気)⇒大判小判(金気)⇒正直じいさん(生気)⇒灰(土気)⇒枯れ木(木気)⇒褒美(金気)となります。
ここで考えてほしいことは、欲張りじいさん(陰)も正直じいさん(陽)も自分自身を表していることです。自分の中にある二面性の象徴と捉えてみてください。
犬は神様の使い、殿様は神様です。
欲張りじいさんになるという事は、自分が悪徳の呪詛師になったり、呪詛を依頼する人間になるという事です。
陰陽の気の法則に、犬(戌)は干支では「金気を含んだ土気」を表します。
もしも、財産や家業繁栄が願いなら、それに必要な「気」を持つ戌=犬を側におきます。
戌の力は土、金、火、木の気のバランスを調え、悪術まじないの穢れを外に吐き出す、追い出す役目として神様の使いになっています。
香川県のこんぴら狗、東京の水天宮、愛知県の伊奴神社などに犬が祀られています。
白い犬は、信濃の山中で山の神に祟られて道に迷った日本武尊の美濃への道案内をしたと日本書紀に伝えられています。
古来より犬は不思議な霊力を持ち、聴覚、嗅覚は人間よりはるかに優れているので、人間が気がつかないものをいち早く察知します。
また、多産でお産が軽い事から安産の象徴としても信仰を集めています。
腹帯など戌の日を選ぶのもお産が軽くなるように、との意味です。
同じイヌ科の動物で、オオカミも神様の使いになります。オオカミ信仰は犬信仰よりも古くからありました。
埼玉の三峯神社、また東京の武蔵御嶽神社、同じく東京の宮益御嶽神社などは盗難除け、火難除け、厄除けで有名です。
また身代りにもなってくれるありがたい守り犬です。
ちなみに、私の先祖はオオカミをトーテムにする古代氏族がルーツです。
麗月 謹上再拝
秦霊性心理研究所
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