今週末、久しぶりに馬場へ行く予定です。
以前一緒に仕事をしたパートナーたちと会う予定なのですが、今回私が一番楽しみにしているのは、実はみんなとの集まりそのものではありません。
一番楽しみなのは、何年も一緒に過ごしてきた、あの馬に会うことです。
馬場に入って、あの子の姿を見るたびに、初めて乗馬を始めた頃のことを思い出します。
実は、私は最初から乗馬ができたわけではありません。
起業したばかりの頃、私の頭の中にあったのは、とにかく仕事のことばかりでした。
会社をどう成長させるか。
お客様にどう喜んでもらうか。
父から受け継いだ仕事を、自分の力でどう続けていくか。
毎日のように会議があって、取引先とのやり取りがあって、次から次へと判断しなければならないことが出てきました。
気がつけば、仕事以外の時間がほとんどなくなっていました。
そんな時に、初めて本格的に乗馬に触れる機会がありました。
最初に馬に乗った時は、正直、想像していたより少し怖かったです。
思っていた以上に馬は大きいし、背中も高い。
緊張している私に、インストラクターの方が言った言葉が今でも印象に残っています。
「馬をコントロールしようとするのではなく、まず馬の状態を感じてください」
最初は、
「乗馬って、方向をコントロールするものじゃないの?」
と思いました。
でも、実際に続けてみると、少しずつその意味が分かるようになりました。
馬は機械ではありません。
自分が緊張していれば、それを感じ取る。
迷っていれば、それも伝わる。
こちらが無理に動かそうとすると、逆に馬も不安になってしまう。
大切なのは、力で押さえつけることではなく、自分自身の状態を整えて、馬とのリズムを合わせること。
それが分かってから、私は少しずつ乗馬が好きになっていきました。、
そして、仕事が少し落ち着いた頃、ずっとやってみたかったことを一つ実現しました。
自分の馬を持つことです。
初めての馬に名前をつける時、かなり悩みました。
でも、最終的に思い浮かんだのは、私の人生で最初に買った車でした。
メルセデス・ベンツ E300。
それは、起業して初めて自分で稼いだお金で買った車でした。
今振り返ると、あの車は単なる移動手段ではなかったと思います。
起業したばかりの頃の自分にとって、「自分の努力で、初めて欲しかったものを手に入れた」という一つの記念でした。
だから、最初の一頭の馬にも同じ名前をつけました。
「ベンツ」
少し変わった名前かもしれませんね(笑)。
でも、私にとってはとても大切な名前です。
車の「ベンツ」は、私が起業したばかりの頃の思い出。
そして馬の「ベンツ」は、その後の私が少しずつ学んできたことを思い出させてくれます。
仕事をしていると、どうしてもすぐに結果を出したくなります。
社員に対しても、お客様に対しても、取引先に対しても、
「こうすればいい」
と答えを急いでしまうことがあります。
でも、乗馬を始めてから、少しだけ考え方が変わりました。
時には待つこと。
相手の状態をよく見ること。
そして、自分のペースを押しつけず、お互いのリズムを見つけること。
これは仕事でも、人との付き合いでも、意外と同じなのかもしれません。
今でも仕事は忙しいです。
会社のこと、お客様のこと、これからの事業のこと。
最近は日本との仕事も少しずつ増えていて、以前よりも時間が早く過ぎていくように感じます。
でも、馬場に来て「ベンツ」に乗ると、不思議なくらい時間がゆっくりになります。
会議もない。
電話も気にしなくていい。
すぐに誰かに答えを出す必要もない。
ただ馬の呼吸を感じて、足元のリズムを感じて、風を感じる。
私はこの時間がとても好きです。
今週末も、以前一緒に仕事をした仲間たちと馬場へ行きます。
みんなにとっては、きっと普通の週末の集まり。
でも私にとっては、久しぶりに「ベンツ」に会える大切な時間です。
一緒に歩いて、少し乗って、そのあとゆっくりコーヒーでも飲もうと思っています。
人はある程度の年齢になると、自分が本当に好きなものが少しずつ分かってくるのかもしれません。
若い頃は、いつも何かを追いかけていました。
仕事、成果、収入、そして周りから見た「成功」。
でも今の私は、自分のための時間を持って、好きなことを楽しめることも、一つの幸せなのだと思っています。
だから、あの時に乗馬を始めて本当によかった。
乗馬が私の仕事を変えたわけではありません。
でも、物事の見方は少し変えてくれました。
そして、私の最初の一頭の馬「ベンツ」は、今でも私にこう教えてくれているような気がします。
ずっと前に進むことだけが大切なのではなく、時には立ち止まって、自分自身を振り返ることも大切。
今週末、また会えるのが楽しみです。
私の顔を見たら、昔みたいに頭を伸ばして近づいてきてくれるかな?☺️
皆さんにも、最初は小さなきっかけだったのに、いつの間にか長く続けていることってありますか?