さて、水量の増した菅生の瀧。

「やめておきなさい。」と言われるのが嫌だったので

私は 導師にぴょこんと頭を下げて

瀧に向かいました。

今までは瀧に向かう岩場のロウソク・線香は

先達にお任せしっ放しでした。

それで 私でも 出来る事くらいは

させて頂こうと思ったのです。

下の小さな祠から一つ一つ火を灯していきました。

最後の大きなお不動様には 先達が

さっさと上がって行きました。

そこは 金属の鎖をつたって登らなければならないので

私は まだ 行った事がありません。

そして、いつもは後に残って

私の瀧行をサポートして下さる先達が

「じゃあ 私が瀧壺のどの辺りに入るか見て参考にして下さい。」

と 先に瀧壺に入って行きました。

瀧壺の奥で向きを変えた先達は

あろう事かニコニコしながら祝詞を

高らかに詠みあげ始めました。

上からは 飛び出した岩に当たった水の流れが

先達の左手をバンバン叩いています。

先達がちょっとふらついた瞬間

私は気で先達を抑えたのですが

あまり意味がなかったようです。

先達は 更に楽しそうにされていました。

脳内モルヒネとは よく言ったもので

その先達は まさにそんな感じでした。

その時 雲の合間から太陽が覗きました。

先達に日が当たり光っています。

先達の周りは うっすらと虹の様に

輝いています。キレ~イ!


「気持ち良いですよ。」と言いながら

先達は 満面の笑みで瀧壺から出てらっしゃいました。

しかも しっかり締めの作法もされました。

という事は 私がもう一度

開く作法と閉じる作法をしなければいけません。

当然ですが…

ーーー更に続くーーー