6月6日(水)
 
朝、5時前に目が覚めたら、外は4℃、霧が地面を這っていた。
昨日は、雨が降り、10℃くらいの日中の気温で、夏の服装で来たため、夕食を外で食べる気がせず、自炊。
同じアパートのS君に、米を一合もらい、炊飯器を初めて使う。Kさんが残して行ったスープの素に。冷凍ミックスベジタブルを放り込んで、簡単な夕食。やはり米はうまい。しかし、ひとりで飲むビールは酔いが回る。夕食後、前後不覚でダウンしていた。
 
ひと月前、32度まで上昇した気温が、今回は最高気温15℃前後、冬に戻ったような気候で、ダウンジャケットがほしい。
 
ところで、前回から、往復便にANAを使っている。エコノミーは相変わらず十分な睡眠がとれないが、ANAのメリットは映画が日本人向けに準備されていること。しかし、邦画は、先月とほとんどかわってなかった。仕方なく、暇つぶしに「はやぶさ・・・」を観た。
 
あまり騒がれている映画は何となく避ける傾向があるので、こんな機会がない限り観ることはなかっただろう。
しかし、この映画を見て考えさせられた。
 
7年間、おなじプロジェクトに打ち込むエンジニアたち。渡辺謙演じるリーダーが、NASAの海千山千のメンバーと契約交渉するシーン。定年をとっくに過ぎた旋盤工が、もうけを度外視して部品作りを請け負う姿。日本のエンジニアここにあり。
 
翻ってみて、自分の今を考えさせられた。
40の手習いで英語を猛勉強したおかげで、それから約20年間、海外プロジェクト中心の仕事をしてきた。
しかし、ほとんどが調整業務で、自分をエンジニアと呼ぶのは気恥ずかしい。大した技術もなく、経験と英語だけで過ごしてきた感がある。定年を真近に向かえ、会社に対する未練はほとんどなく、ただ、年金がいくらもらえるか、いつ引退できるかばかり考えている。
 
しかし、滅私奉公のサラリーマンは本当に美談だろうか。
仕事が好きで、プライベートを犠牲にしてまで打ち込む価値がある。そのような仕事、人生に恵まれた人は幸せだ。
凡人には凡人の人生がある・・・
 
はやぶさの高尚なエンジニア達の活躍に水を差す、プライベートな感慨でした。
 

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