1月6日(木)
 
最後の釣りくらいは、ゆっくりと、のんびりと、と思っていたが、やはりつい、いつもの時間に海岸に来てしまった。6時半に海に入ると、北のフェンスの上にいつものツガイの白い鷺がとまっている。わざとフェンスに沿って歩いて行くと、迷惑そうに飛んでいく。毎週の事。
 
腰までの深さの、遠浅の海を沖に向かって歩いていると、突然、すぐ横から黒い影が音も立てずに逃げて行った。まだら鳶エイ、翼を広げると1m以上ある。形がきれいなので、ダイビングでもマンタについで人気がある。ここ紅海の海岸で、3回ほどジャンプするのを見た。何かに驚いて、1mくらい突然ジャンプする。久しぶりに現れた。
 
沖の岩礁に到着。まだ足元は暗い。今年の冬は比較的海が穏やか。少し水位が高いが、波さえなければ、釣には支障ない。2、3回キャスティングすると、今日もやっぱり釣れないような気がする。
 
昨日は、新年会に新鮮な刺身を出そうと、釣り師全員が頑張ったが、全員討ち死に。冬場は本当に釣果が少ない。新年会で出てきた鯛の刺身は、何処でとれたものか、お頭付きだったが、真鯛ではなく、たぶんフエダイだろう。味は…、ふた切れ食べただけ。
 
75分ころに太陽が現れ、50mほど沖にウミガメが顔を出した。空にはカモメが飛んでいるし、これでイルカが現れたら、全員そろい踏みで紅海にお別れが出来ると思ったが、ついにイルカは現れなかった。
 
最後の釣なので、水平線の彼方300kmのアフリカの海岸線に思いをはせながら、ポッパー、メタルジグ、バイブレーション、ミノーと手持ちの全ての種類を試してみたが、全く反応なし。
 
1時間余り後の85分前、やっとメタルジグにヒット!
引きが、いつものアジとは違うので何かなと思いながらごぼう抜きにすると、久しぶりにスマガツオが上がってきた。しかし、30cm程度の小さなカツオなので、宴会には使えない。でも、最後の釣りがボーズで無くてよかった。
 
 
紅海の5年間、釣りだけを楽しみに何とかすごすことが出来たようです。
 
 
プロジェクトで過ごした6年半と、そのうちサウジアラビア、紅海沿岸での5年間の記録はこれでお終いです。長らくのご愛読、ありがとうございました。
 
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