2010年1月1日(金) 早朝19℃
ついに気温も20℃を切った。昨日と違い、風のない穏やかな海。西の空、紅海の上に満月が明るい。大潮で満潮の海をへそまで浸かり岩礁に向かう。今日もひとり。6時51分、ちょうど日の出の10分前に今年の初キャスティング。これでヒットすればめでたさは倍増するが、そんなに甘くない。

(紅海の満月。岩礁の位置表示のリーバー(コンクリートの補強鉄筋))
7時過ぎ、太陽が出てくるのを待つ。天気予報では日の出は7時1分だが、やっと姿を現したのは7時7分。初日の出。新年の祈り「今年は、春には帰国できますように。」

(2010年ラービグの初日の出)
目の前、30m程度の海面にイソマグロかカツオの群れ。イルカのように、時々胴体を海面に出して北に向かって泳いでいく。50cm以上のいい形をしている。射程距離なので、何度もキャストするが無視される。今日は太いナイロンのショックリーダーの先にワイヤーをつけた重装備。魚が警戒しているのかも知れない。ナイロンやフロロのリーダーですっぽ抜けの失敗を繰り返しており、魚がヒットしやすくすれば大物が取れないし、重装備にすれば食いが悪くなるジレンマ。
しばらくすると、今度はウミガメが出てきた。いつもは首だけしか出さないが、今日は甲羅まで水面に出して、のんびり泳いでいる。これは新春早々、縁起がいいかもしれない。ウェルカメ。
初日の出を背中に受けながら、目の前に満月、穏やかな海でサンゴ礁を独り占めにして釣り三昧。なんと贅沢な正月だろう。
1時間たっても全く当たりがないので、場所を移動していたら、足が滑って尻もちをつき、つい手でかばってしまった。足もとはサンゴ礁。痛ッと思ったが遅かった。右手の中指から血が出ている。右手は釣り糸を扱いやすいように、親指、人さし指、中指が裸の釣り用手袋。サンゴで指先が切れていた。吸っても、海水で洗っても、血が湧き出てくるので、もはやこれまでとあきらめ、帰り支度を始めたら血が止まった。傷が浅いので、血小板が固まったようだ。あわてなくても、人間の自然治癒力はすごい。
大物狙いはやめて、ショックリーダーの先に黒いナイロン7号のリーダーをつけ、ザブラバイブを直接結ぶ。大物がヒットしてナイロンが抜けたらそれもまた仕方ない。
8時20分、ついに今年の初ヒット。バレないように祈りながら巻き上げる。比較的軽いが、二条サバほどではない。白い腹が見えてきた。コガネアジが上がってきた。この季節でも釣れるのか、久しぶりだ。

(コガネアジ 42cm:今年の初釣果)
結局、釣り初めはたった一回のヒットだけ。9時に納竿。海岸で鱗を落とし、小型の包丁で腹を裂いて下ごしらえ。昼食は、バドワイザー(もちろんノンアルコール)と刺身。正月番組を見ながら刺身が食べられるのは、日本並みの贅沢さだ。
夜はホテルで新年会。お節と雑煮でも期待しよう。
新年、あけましておめでとうございます。
サウジアラビア 紅海沿岸 ラービグより
サウジアラビア 紅海沿岸 ラービグより
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