7月30日(木)

 

ここ二日、機器の試運転で、一日2回、40mの高さのタンクの上まで階段を昇り降りしているので、ちょうどいい疲れで熟睡できる。しかし、今朝は2週間ぶりの釣りに興奮して4時前に目が覚めてしまった。朝食後、いつもより早く浜辺に出て準備をし、コテージを出発したのが5時20分。まだ暗い。足もとがやっと見える。これより早く出てきても釣りにはならない。いつもの岩礁は、感覚で覚えているので、足場を決めて5時30分に第一投目。やっと薄明るくなったので、周りを見ると、期待していた先発隊がいない。今日は一番乗りだ。

 

先週、バーレーンで見つけたバイブレーションを試す。22gはちょうどいい重さで、軽く50mは飛んでいく。釣り始めて10分後、ガツンとした手応えでヒットした。強い。大物だ!と心の中で叫びながら、グッと竿を立てると、急に軽くなった。バレた!しかし、巻き取る糸が軽すぎる。ルアーを持っていかれたようだ。巻き上げると、ショックリーダーに取り付けたサルカンとの結び目が抜けていた。昨夜、一番強いと思われる方法で5号のフロロカーボンを結んで準備したばかりだが、あっけなく抜けて、買ったばかりのルアーを失くしてしまった。手で引っ張るぐらいではビクともしないのに、大物がかかると弱い。全く、どうすればいいのか。

 

大物を逃がし、ルアーを失くしたことより、どんな結び方が信頼できるのかわからなくなったことで何かモヤモヤとすっきりしない気持で潜航型ミノーを試してみる。糸の結び方は同じなので、大物がヒットすれば、また抜けるかも知れない。

 

意気消沈していると、5時45分ごろ、いつものメンバーが今日は3人でやってきた。ミノーがダメなので、もう一個の金色のバイブレーションに結び変えたが、なかなかヒットしない。6時23分に100mほど南の岩礁で釣っていたK君にヒット。しばらく釣りを中断してファイトを見物する。竿が大きくしなり、無事、タモで回収した。結構大物のようだ。さて次は自分の番だと気を取り直してルアーを投げるが、全く当たる気配がない。

 

6時35分、竿先に集中せず、よそ見をしながら巻き上げていたら、いきなりヒットした。今回は少し軽い。これなら糸が抜けることもなく釣り上げることができるかも知れない。それでも慎重に巻き上げて、無事タモで回収。40cm級のコガネアジだ。刺身にすれば4人前は十分ある。前回は、ビクに入れて釣りを続けているうちに死んでしまい、血抜きができなかったので、今回は生きのいいうちにエラにハサミを入れた。勢いよく血が吹き出し海を染めた。これで生臭さが抜ける。

 

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(43cmx1.2kgコガネアジとラパラのバイブレーション)

 

とりあえず一枚上がったので、気分は収まったが、残りバイブレーション一個で、8月末の一時帰国まで持つだろうか。バーレーンで買い占めておけばよかった。

 

6時45分にK君のチームが3人とも引き上げ始めた。たった一時間とは早い。木曜日なので、これから仕事に出るつもりかも知れない。いつもなら、7時頃には次のグループが出てくるが、今日は誰も出てこない。ひとりで釣るのも寂しい。それでも7時半くらいまでは粘ろうと思い、黙々とルアーを投げながら、ふと足元を見ると、褐色の帯が足もとに巻きついているのが目にとまった。よく見ると、ウツボが足もとの岩礁の穴から体を半分以上だし、ビクの中のアジを狙っている。びっくりして足で追い払ったら、穴の中に消えた。深さ20cm位の浅い岩礁の上なので、褐色のウツボは、水面に浮いた布切れかと思った。

 

「元来、ウツボは臆病な魚で、人には近づかないと言われるが、何もしないで突っ立っていたので、死んだアジを狙ったのだろう。以前も、釣り上げたユカタハタを腰のヒモにぶら下げていたら、ウツボが丸ごと食いついて穴に引き込み、綱引きをしたことがある。」などとぼんやり考えながら釣りを続けていて、またふと足元を見ると、同じウツボがまた出てきて、アジの口先にビクの網の上から噛みついている。今度は足でキックしても離れない。2,3回のキックでやっと離れたが、それでもまだ穴から頭だけ出して様子をうかがっている。かなりしつこい。あまり臆病でもなさそうだ。

 

すっかり釣りの意欲をそがれてしまったので、今日は引き上げることにした。7時10分。1時間半あまり、まだ太陽は低い。これなら体力を消耗することもない。
さて、今夜は誰かを呼んで、刺身で一枚平らげることにしよう。

 

(現在通算 平アジ 23枚)
 
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