6月11日(木)

久しぶりにショッピングバスに乗った。最後に乗ったのは一年以上前だろう。当時は、赴任の生活用品を揃えるために、大勢のメンバーが利用していた。ベンチシートで、ヘッドレストもないマイクロバスでの片道2時間は苦痛そのものだった。一度、部屋のベッドに用意されていた長枕をバスに持ち込んだことがある。ヘッドレスト代りに利用して往復眠ることができ、いいアイデアだと思った。

いまや、リクライニングシート付きの大型観光バス。今日の乗客は、小さい子供連れのふた組の家族と、単身赴任者二人だけ。コミュニティーで生活している家族にとっては、数少ない楽しみの一つだろう。毎週、違ったショッピングセンターまで連れて行ってくれる。第二週の週末は、新しくできたアラブモール、空港の近くにある。

今日の目的は、ルアー探し。旧市街の港にある魚市場に釣り具店があると聞いたので、ダメもとで探しに行くことにした。バスがついたら、戻ってくる時に備えて、ショッピングセンターの名前だけメモして、すぐタクシーに飛び乗った。7時過ぎのお祈り開始で全ての店が閉まるので、それまでに買い物を済ませる必要があるが、まだ2時間ある。

ジェッダの北の端にある空港近くのショッピングセンターから南の端に近い港まで25分、タクシー代41.8SAR(約1100円)。小銭がなく、40SARにまけてくれた。魚市場は結構にぎわっている。やはりハムールが多い。いつも昼食で食べている淡白な白身魚だ。ハタの一種だと思うが、口はあまり大きくなく、スズキのような形をしている。太刀魚も紅海で獲れるようだ。あまり魚を眺めていると、買えとうるさいので、さっさと目的の釣具店に向かった。市場の外に、小さな釣り具店が何軒も軒を並べている。片端からのぞいてみるが、やはりミノーとメタルジグばかりでバイブレーションは置いていない。仕方なく、大型のタモ網を見つけたのでそれだけ買ってきた。

魚市場にはゆっくり休む場所がなかったので、またタクシーでショッピングセンターに引き返すことにした。最初に拾ったタクシーは、英語が全く分からず、ショッピングセンターの名前を言っても分からないので2台目を探した。場所が悪いのか、タクシーがいない。やっと、お客を乗せてきた車を捕まえた。運転手はしっかり英語を話したが、「Mall of Arabia」と言っても通じない。「通りの名前はわかるか?」と聞くので、来る時に、万一を考えて順番にメモした道路の紙切れを見せると、「Arab Mall」かもしれないと言うので行ってもらうことにした。出来たばかりの大型ショッピングモールのため、地図に出ていない。せめて、場所の確認をしておくべきだった。無事到着したショッピングセンターには大きく「Mall of Arabia」と書かれていたが、タクシーの運転手が知らなければどうしようもない。料金は行きと同じ41.8SAR。ジェッダのタクシーは信用できそうだ。

ショッピングセンターは大きく、大型スーパーの「Geant(ジアント)」と専門店モールでできている。お祈り時間で店が閉まるまでにスターバックで軽く腹ごしらえし、お祈り中は、ウインドーショッピングでモールの中を物色した。靴屋を見つけたので、シャッターが開くと同時に入って、ボロボロになったシューズを履き替えた。体重計が壊れたので、久しぶりに体重計も購入。一日5回のお祈り時間があるが、今日最後のお祈りが始まる8時半にバスは出発。ゆっくり眠って10時半にコミュニティー到着。さすがリクライニングシート、あまり苦にならない往復だった。

 

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