人生の半分を費やして培って来た
”個性”と言うカテゴリの技術は
実の所既存の物々から抽出した
複合体に過ぎなかったと言う事に気が付いたのです

かと言って今更それに絶望する事も無く
妙に納得して肩の荷が下りた気分です
元々何も載っていなかった肩ですが
安堵とも違う、納得の上に更に達成感の様な感情を
伴うそんな気分です

私は今までそれぞれの部品を選択し組み合わせていただけなのだと
通りで何を生み出してもどこかで見た様な気がしていた訳です
既存の物が増えると選択肢も増えて選びきれずに立ち往生する
それが所謂”スランプ”なのかも知れません

気分 好み 流行 他者との交流
得る事 捨てる事

構築する寄せ集めの”個性”は流動的で実の所一切は一新されている
10年前に残した物すら覚えていない筈です
凄く単純な理由で楽しい気分になった
恐らく事態はもっと深刻かも知れない

相手方が居て起こり得た非常が
私にとっては浮かれるに足る程の非日常だった
ありがとう
素直にそう思うんです

ありがとう
ありがとう
ありがとう

貴方がどういう方かは存じません
あなた方の本来の目的は決して私にとって喜ばしい事では無いのかも知れません
だけど

私はまぎれもなく嬉しく思ったのです
生きると言う事はこう言った単純な事に一喜一憂する事
単純な非常事態
私は幸せです

さようなら
私の人生に一瞬関わったあなた達
環境が変わった際に周りに対して感じる違和感は
結局の所一生付いてまわる気がしている

一処に長く留まればその環境に慣れる
慣れるに過ぎなくて違和感が消えるのではないのだと

そう言った意味で私の居場所は違和感だらけだ
帰る場所も行った場所も全部しっくり来なかった

例えばこう言った感情に名前があるだろうか
例えばこう言った事を何人かは考えたろうか
例えば何時の時代かここを含む何処かの国で
そう言った感情に苛まれその感情に名前を付けた者があっただろうか

ふと

地球は薄い紙切れ1枚でそれが何枚も重なっていて
登場人物は無意識の間にその紙切れ間を行ったり来たりしているんじゃないかと
そんな風に思った

一瞬前の人物が次の瞬間そっくりで違う人に変わっている
一瞬だけ違うページにいたら帰って来た時にみんなが違う人になっていた

だからなんとなくこの場に常に違和感がある
自分で行き来した空間だけでない距離を経験しているんじゃないかと思う