副幹事長解任を巡る「生方ショック」のなのか、鳩山内閣の支持率がいよいよ30%割れ目前に迫ってきた。30%割れは「危険水域」といわれる水準で、不支持率も50%を超えた。

 「政治とカネ」の問題や普天間基地の移設問題に加えて、民主党の小沢一郎幹事長を批判した生方幸夫副幹事長の解任が一時決まった問題では、「言論の自由がない」民主党内のようすが露わになり、大きなイメージダウンとなって追い討ちをかけた。

■「政治とカネ」で政党支持率も急落

 内閣発足時に70%超の高い支持率を得ていた鳩山内閣が、わずか半年で半分以上に急落した。テレビ朝日が2010年3月20日、21日に実施した世論調査によると、鳩山内閣の支持率は2月の調査時と比べて15.3ポイント下がり、30.0%に落ち込んだ。政党支持率でも民主党は8.6ポイント下落して31.6%。自民党は3ポイント上がって27.4%と差が縮まった。

 また、産経新聞とFNNが同日に実施した合同世論調査では、鳩山内閣の支持率は前回調査(2月6日、7日)に比べて12.3ポイント減少して30.5%となった。不支持率は53.9%。前回調査から7.8ポイント上がって、内閣発足後初めて50%を超えた。

 民主党への支持率も、前回調査から7.5ポイント減少して25.4%に落ち込んだ。一方、自民党の支持率は0.6ポイントとわずかに上昇して18.8%だった。

 夏の参院選(比例区)への投票先でも民主党は7.6ポイント減少の29,4%となった。一方で自民党に投票するという人が0.8ポイント増えて24.0%と、その差は前回調査より8.4ポイント縮んだ。「過半数」をめざす民主党にとってはうかうかしてはいられなくなってきた。

 内閣支持率が急落している背景には、民主党の「言論封殺」への批判が高まっていることにある。いわば「生方ショック」ともいえる事態だ。

■横粂議員発言で「言論封殺」イメージさらに広がる

 テレビ朝日の調査では、民主党の小沢幹事長を批判して一時解任が決まった生方副幹事長の問題について、「民主党の対応に問題がある」と答えた人が76%に上った。小沢幹事長の「独裁体制になっている」との指摘についても、76%が「そう思う」と回答した。

 産経・FNNの調査でも、普天間基地の移設問題や「政治とカネ」への問題の対応などで揺れる鳩山首相の「指導力不足」を指摘する人は少なくない。生方副幹事長の解任問題も、72.3%が「評価しない」と答えている。

 鳩山内閣しいては民主党の支持率低下に伴って、幹事長に居座り続ける小沢氏への批判は民主党内からも強まり、執行部を痛烈に批判する幹部も現れた。

 一方で、「生方問題」について聞かれた若手の横粂勝仁衆院議員がテレビのインタビューに応えている最中に、萩原仁衆院議員が「もうあかん、こっち来い」と発言を遮ったシーンが放映されたことで、民主党の「言論封殺」のイメージはさらに広がった。

 こうした中で民主党は2月23日、副幹事長を解任する方針を決めていた生方氏に続投を要請。生方氏もこれを受け入れた。小沢幹事長が「もう一度いっしょにやってくれないか」と、生方氏に伝えたという。

 世論の批判を受けて解任の方針を転換した形だが、民主党内に小沢批判がくすぶっていることに変わりなく、ゴタついている印象は拭えない。


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