政府の構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会の医療・福祉・労働部会(部会長=佐藤博樹・東大社会科学研究所教授)は3月26日、「ナースプラクティショナー(専門性の高い職務が可能な看護師)の必要性」に関して「調査審議意見」をまとめた。厚生労働省に対し、同省の「チーム医療の推進に関する検討会」がこのほどまとめた報告書に基づき、来年度から看護師の役割拡大に向けた取り組みを行うよう求めている。調査審議意見は月内にも同委員会に提出する。

 看護師の役割拡大について、同検討会の報告書では、一定の医学教育や実務経験を前提に、専門的な臨床実践能力を持つ「特定看護師」(仮称)が、医師の「包括的指示」の下、「診療の補助」に含まれない一定の診療行為を行える枠組みをつくることなどが示されている。ただし、特定看護師は、米国などで医師の包括指示がなくても診療行為を行っているナースプラクティショナー(NP)とは異なる。

 調査審議意見では、「来年度から、報告書における特定看護師(仮称)による特定の医行為の実施を早急かつ幅広に試行することとし、その結果を踏まえ、制度化に向けた検討を進められたい」とし、その際の留意事項として、▽「診療の補助」の範囲に含まれているかどうかが不明確な行為について、看護師ができる行為を拡大する方向で明確にする▽特定の医行為の範囲について、これまで専門性が高い職務が可能な看護師の養成に取り組んできた養成現場の関係者などの意見を踏まえて行う―などを示している。

■既存のNP養成講座はどうなる?
 同日開かれた部会では、調査審議意見の取りまとめに向け、厚労省を交えて意見交換が行われた。
 田城孝雄委員(順天堂大医学部准教授)は、検討会の報告書に対して「一歩前進でよかった」と評価する一方、「NP養成」と銘打った講座が大分県立看護科学大など複数の大学で既に開講されていることについて、「今後は『特定看護師に関する』などと(名称などを)変えた方がいいのか」と述べた。
 これについて佐藤部会長は、「NPというときの大学側の趣旨が何かによる」とし、「自分たちがNPだと使っていたものと特定看護師が同じものだと分かれば、大学側が特定看護師養成講座に名称を変えることもあり得るのでは」と述べた。
 厚労省側は、今後の検討で具体的に詰めていくとした。


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