澄んだ瞳には映らない『鈴木杏奈論』 | fullブログ

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徒然なるままに




鈴木杏奈ちゃんのワンマンライヴで、ようやく全貌が明らかになったオリジナル曲『Prolog』

その曲について語りたい
舌足らずはご勘弁を

曲調はメタル調なアレンジではあるが、すべてを破壊するようなメタルではなく、非常に聴きやすい
作曲者は、ボナペティの杉本慶介さん

ボナペティの曲をYouTubeであがっている限りは聴いた
どこか懐かしいような哀愁にも似た感がありながら、オリジナリティ溢れている
冷血充ち溢れた世界でも、生きていける優しさはある、大きな壁が立ちはだかっても希望はある
底抜けに楽観的でもなく、どん底に悲観的でもない
そんなそこはかとない強さを感じる
喜怒哀楽のどれかに片寄っている訳でもなく、ひっくるめて深い
そして、杉本慶介さんの持つ世界観が美しい風景なのだろう。メロディの美しさは尋常ではない
いや、美しいだけのメロディならある
すべて詰まってカオスにならず美しいというべきか
ひとことでは表現できない美しいメロディを持つ世界観は、杉本慶介さんのみ持てる世界観だろう
誤解を恐れず言わせてもらえるならば、白い部分と深い青の部分があって、シルクのような光沢と手ざわり

ちなみに、個人的にボナペティでのお気に入りは『夏の空に』
サビの歌詞で『すべて すべて捨て去り』という頭韻をしている
これ書く立場だと変になりそうで怖いのだが、そこのメロディが秀逸で、実に美しい

そして作詞は、鈴木杏奈ちゃん
前々から、人とは違う視点でものを見れているなあ、という発言がちらほらあった
ボキャブラリーも豊富なので、作詞させたらなかなか良いのではと思っていたが、これほど素晴らしいものを出してくるとはと衝撃だった
彼女の歌を、初めて生で聴いた時ほどの衝撃だ
15歳で描ける世界観ではないし、その世界観を15歳で持てる人も少ないだろう

哀しくなるようなフレーズもありながら、希望もある
曲の持つ世界観に見事に合致する

そして断定が多いので力強さも感じる

2番のBメロの『ああ 同じ場所には止まっていられない』
同じくサビ終わりの『まだ負けたくない!』は、杏奈ちゃんらしいというか、常に進み続けて成長している彼女が、満足することなく進み続けるという決意のようにも感じた

優れた歌詞というものは、聴き手の心に響くというのもあるが、聴き手を選ばないというのもある

例えば、一人称は『僕』なので『いつの日か君を見つけるよ』の『君』は、女性と取れば恋愛っぽい解釈もできるし、親友に送る曲としても成立する
『君』を、目指すものと解釈すれば、夢を追いかけている人の歌ともできる
聴き手によって風景を変えられるが、断定が多くて力強さも感じるので、言いたいこと、伝えたいことは不変であるという

これを15歳の少女が書いたのだ
ただでさえ衝撃だったのに、全貌が明らかになってさらに衝撃だった

ちなみに、この曲で個人的に好きなのは、2番のAメロの『信じ続けて』の上げるとこと
『向かい風を受けて』から終わりまで
こういう曲の可能性を感じさせられるのとか、ある意味、変則的なのは好き
そして最後
同じフレーズを繰り返してスッと終わる感じは、意表を衝かれて好き

音楽は聴き手が感じたことでよいと思う
これはあくまでも個人的な感想です