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ONCE UPON A TIME

~むかしむかしあるところに~





誰かが言っていた言葉を
ふと 思い出したの

死ぬときに笑っていられればそれで良い

じゃあ あの人は本当に良かったの?
強がって 私に心配をかけないように
そっと微笑んでくれたあの人は
本当に幸せだったの?

私は死ぬ前に笑える自信がある

それは 幸せだからとか
満足したからとかじゃなくて
ただ単に 笑いしか出てこないから

私が産まれて何が変わったのか
私が死んで 何が失われたのか
わからなくて呆れた笑いしか出てこない

何をして 何のために 何ができたのか

わからないから

部屋に閉じ籠って

必死に涙を流しても

気付かれることなんて無いから

楽だね 笑っていれば生きていられるなんて

誰にも悟られることなく

私は上手く 上手に生きていける

私は社会人だから

もう子供じゃないから

辛くても 苦しくても 泣きたくても
明日には笑顔で おはよう って言わなきゃいけないの


大丈夫 まだ頑張れるから

いつか崩れてしまったときに

もう一度 考え直すよ





子供の頃 何をやっても上手くいかなくて
その度に 父に 母に 姉に よく叱られた

運動も 勉強も 全くできなくて
取り柄なんて1つもない ただの子供だった

怪我なんて毎度の事で 怪我をする度に
祖母に泣きながら 絆創膏を貼ってもらった

いじめられたことは無いけれど
よくからかわれて 拗ねて家に帰っていた

成長しても何も変わらずに
毎日毎晩 遊び歩いていた

きっと こんな私を家族は心配しただろう
それなのに そんな気持ちに気が付かなかった

そんな私を変えたのは 間違いなく音楽だった

初めて出会ったギター
初めて触れる音楽
毎日が楽しくて 幸せだった


初めて夢が出来た それなのに
私の夢は いとも簡単に壊された


悲しくなんてなかった 解りきった事だから
それでも 嗚咽が止まらなかった

そして苦しくなって 私は夢を捨てた


今ごろになって夢を思い出すから
こんなに辛くなるんだね

悲しいね
寂しいね

私には叶えるだけの力なんてないのに
夢を見て 必死になる根性なんてないのに

また夢を見ても また諦めるだけだから


だから もう終わりにしようと思う


全部全部終わり
私はもう高望みなんてしない

普通に生きて 普通に仕事をして 普通に死ぬ
それが幸せなんだよね

それができる私は幸せなんだ

そのうち夢を見ていたことすら忘れるんだ
それが良いな
その方が 楽だから


夢を見るのは終わり 夢を語るのも終わり
夢に触れるのも終わり

辛いのは最初だけだから
最後には笑ってられるから



そうでしょ?
そうだよって言ってよ








夕御飯たくさん食べたのにお腹空いた

でもどうせ食べても気分悪くなるだけ

でも食べずにはいられないの

理由はわかってる

ごめんね


ではでは。