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 民主党の小沢幹事長は16日、選挙運動や政治資金のあり方を抜本的に見直すため、来年の通常国会で、公職選挙法と政治資金規正法の全面的な改正を目指す方針を固めた。

 同党が衆院選の政権公約(マニフェスト)に掲げた企業・団体献金の全面禁止や、戸別訪問の解禁など選挙運動の自由化が念頭にあるとみられる。与野党に呼びかけて議員立法で成立を図る考えだ。

 小沢氏は16日、学者や経済人らでつくる「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)の佐々木毅共同代表(学習院大教授)と都内のホテルで会い、〈1〉国会審議の活性化〈2〉公職選挙法〈3〉政治資金規制――の3分野について、改革の具体案を作るよう要請した。佐々木氏も受け入れた。

 民主党はマニフェストで、政治資金規正法を改正し、その3年後から、企業・団体献金とパーティー券購入を禁止することを打ち出した。企業・団体献金への依存度の高い自民党にとって、より打撃の大きい内容だ。

 小沢氏の16日の要請はこれを踏まえ、企業・団体献金のあり方や、政治資金の透明性確保の方法、インターネット利用などによる個人献金の拡大を検討するよう求めたものだ。

 また、公選法改正は、インターネット利用や戸別訪問の解禁など選挙活動の自由化が柱だ。英国をモデルにした選挙運動資金の規制強化や、地方自治体の選挙管理委員会を改革し、選挙運動の監視権限を与えることなどを検討する。

 ただ、企業・団体献金の全面禁止には、自民党のほか、民主党内でも「政治活動への影響が大きく、慎重に検討すべきだ」との声があり、具体案をめぐっては調整が難航する可能性もある。

 一方、国会審議の活性化は、官僚の答弁を禁じることなどが柱で、26日召集予定の臨時国会に国会法改正案を提出する予定。官僚答弁の禁止に伴い、官僚や有識者、各種団体の意見を聴取するための新たな枠組みを国会組織に設けることなどを検討する。

 公職選挙法や国会法など国会議員の身分に直結する法律の処理は、議員立法で行うことが通例だ。


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