サイドストーリー116 おばぁちゃんと孫(マロンばぁやとアンドレ) | ぶらねの書きもの部屋

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「ベルサイユのばら」の二次創作をメインに書いていこうと思っています。原作を逸脱した話もあります。不快に感じる可能性のある方は、スルーよろしく。
なお原作者様出版社等とは一切関係ございません。

孫とは可愛いものです。(いきなり、なんやねん⁉)

思い返せば『ベルばら』連載当時、まだ小学生だった私も、とっくにオスカル様の享年を超えて、ジャルジェ・ママの立場も通り過ぎ、今ではすっかりマロンばぁや目線です。(いえ、年齢はまだ、あんなにいってませんよ。笑)

というわけで今回は、おばぁちゃんと孫(ばぁやとアンドレ)の話になります。

早い段階でOA(共に二十歳そこそこぐらい?)ラブラブになって、そのまますんなり結婚したという、原作を逸脱もいいところな設定なので、気分を悪くされる可能性のある方はスルーよろしく。

「ヘーキ、ヘーキ♪」な方は、どうぞ読んでやって下さい。

「何やってんだい、お前はっ⁉」

部屋でボ~ッとしてたら、いきなりばぁちゃんにどやされた。

「ばぁちゃん…」

「まったく…近頃のお前ときたら、情けなくて見てられないよ。」

(情けなくて見てられない…確かに、そうかもな。)

俺はここ最近の自分の状況を考えて、余計落ち込みそうになった。

 

 

俺がオスカルとの結婚を許されて、晴れてジャルジェ家の婿として迎えられたのは、少しばかり前のこと。

それから俺の境遇は一変した。

それまでもオスカルの私設秘書的な仕事をこなしていたことから、仕事内容に大した変更はなかったものの、使用人と夫では責任の重さがまるで違った。

何より敵わなかったのは、他の貴族たちの嫌がらせを兼ねた仕事の妨害。

妬みや嫉妬なんて、女だけの特権だと思ったら大間違いだ。

男の妬みは、女のそれとは比較にならないくらいタチが悪い。

あいつら行く先々で、俺がミスするようにと巧妙な罠を幾重にも張り巡らしてきやがった。

普段は阿保なボンボン連中のくせして、こういうときの悪知恵は天才的だ。(もっと他の事に知恵使えよ!と思うけどな。)

まぁ…そういうことが日々続いていると、本当に心も身体も参ってくる。

そして今日も一人、部屋で凹んでたところだった。

 

 

「正直しんどいよ、ばぁちゃん。」

「生きてりゃ、しんどいことの一つや二つ、あって当然だよ。」

「何だって、ここまでされなきゃならない?俺、何か悪いことしたか?」

「お前は…傍から見れば、分不相応なものを手に入れたんだ。多少妬まれることぐらい、覚悟の上だったろう?」

「それにしたってさぁ…」

「皆がチヤホヤしてくれるとでも思ってたのかい?」

「そんなことはないけど…」

「世の中にはねぇ、人の足を引っ張ることしか能のないような奴らが五万といるんだ。そんな連中をいちいち相手にしてて、どうするんだい。」

「…」

「ジャルジェ家の若様になりたくて、オスカル様と結婚したわけじゃないだろう?」

「そりゃそうだよ!」

「だったらオスカル様のことを、第一にお考え。そうすれば自ずとやるべきことや、どうあるべきかがわかるはずだよ。まぁジャルジェ家なんてのは、オスカル様に付いてきたオマケみたいなもんなんだ。」

「…」

大貴族のジャルジェ家をオマケ呼ばわりとは…大胆だな、ばぁちゃん。

「お前がいつまでもそんな風だと、終いにはオスカル様にも愛想つかされちまうよ。」

「…そうだね。」

「あれもこれもって、最初から結果を求めちゃいけない。最初から何もかも上手くいくわけがないんだ。それでも、お前が腐らずに真面目にやっていれば、結果は後からついてくる。神様は、ちゃんと見ていてくれるもんだよ。」

「わかったよ、ばぁちゃん。俺頑張る。」

いつの間にか俺は、前向きな気持ちになっていた。

明日から、また頑張れそうだ。

さすが、ばぁちゃん。

やっぱり、亀の甲より年の劫か。

 

 

 

おわり

 

こちらの方は、別な(ベルばらとは全然関係ありません。)おばぁちゃんと孫の話です。

興味をお持ちいただけましたら、こちらも是非下から跳んで、読んでやって下さい。

http://ameblo.jp/chacha-mihoko/