巷には、NTトレードの安全性がよく喧伝されますが、これは、日経平均をポートフォリオと考えた場合、TOPIX(市場全体)でヘッジすることにより、ポートフォリオのβ値をゼロ近傍にできるからであるという考え方から来ていると思います。(日経平均のTOPIXに対するβ値を1近傍とした場合)

 つまり、マーケットの影響を受けないポートフォリオになると。(マーケットニュートラル)

しかし、この考え方は、多くの方にとって、実感とは異なるものではないかと思います。

本当にマーケットの影響を受けないのであれば、β値がゼロ近傍で推移していなければなりません。

 2012/2/29~2017/9/1までのNTレシオのTOPIXに対する20日間のヒストリカルβ値(20日間でムービングさせていく)を計算してみました。(下のグラフ 騰落率ベース)

 これを見ると、確かに当該期間、平均するとβ値はゼロ近傍になっているように見え、マーケットの影響を受けていないように見えます。

 しかし、これがいわゆる机上の計算というものです。トレーダーは、日々のデータの変化に影響を受けます。日足ベースのβ値をみていくと、結構上下にトレンドを伴って変動しています。特に2013/12/16などは、0.44までNTレシオのβ値がつり上がっています。(丸印のところ)

 

 このことは、仮に日経平均が1日で千円下落した場合、NTロング(日経平均 買、TOPIX売)のポジションを持っていると、440円の損失を被ることが理論上考えられるということです。

 もちろん、NTには、もとに戻る習性があるので、そのリスクを片張りと単純比較する訳にはいきませんが、それはあくまでもNTの過去の習性にしか過ぎません。NTはサヤ取りです。裁定取引と異なり、必ずもとに戻るわけではありません。

 

 

相場の鉄則を忘れていました。

✗ 多分戻るだろう。

◎ 戻らないかもしれない。