。 ヘイト管理や戦況把握が重要になる斬新な戦闘  本作の戦闘システムはちょっと特殊だ。99マイルのストレートのようなストーリー展開とは一転して,キレのある変化球といった印象で,純粋に新しいと思える内容になっていることを,あらかじめお伝えしておこう。といっても,戦闘だけが妙に浮いているわけではなく,むしろ仲間の存在をより身近に,より強く感じられる工夫が施されている点に注目してほしい。  本作の戦闘は,基本的にリアルタイムで進行する。エルザの仲間達は,前衛の戦士タイプと後衛の魔法使いタイプに分かれており,戦闘が始まると彼らは,各々の判断で散開ないし陣形をとる。前衛タイプは瞬発力と防御力に優れ,後衛タイプは打たれ弱く,詠唱中に攻撃されると魔法が中断されるといった弱点があるものの,高火力の攻撃や高い支援能力を持つという特徴がある。仲間達は常に,自分のタイプに沿った行動をとってくれるので,非常に頼もしい。  プレイヤーは基本的にエルザを操作して,仲間をサポートしながら戦闘を進めていくことになる。概してRPGの主人公というのは,ほかのキャラクターよりも全体的に高い能力を持っているものだが,エルザはこれらの一般的な例からやや外れる。彼は確かに戦局を左右する強力な力を持っているが,重要なのは,彼の能力がほとんど「味方を活かす」ためのものであるということ。MMORPGで言うところの「タンク」タイプと言えば,より想像しやすいだろうか。 攻撃は敵に向かってスティックを倒すだけのオート操作になっているが,DarkBlood RMT,近づいてAボタンで攻撃するタイプに設定することも可能。前者は攻撃に気をとられないため状況の把握がしやすく,後者はよりアクション性の高い操作感を楽しめる。好みで使い分けよう  本作の戦闘におけるエルザ,つまりプレイヤーの役割は,大きく分けて「ヘイトのコントロール」と「風魔法による魔法の拡散」の2つとなる。  MMORPGなどではおなじみのヘイトの概念だが,コンシューマゲーム界隈ではまだ聞きなれない言葉だろうか,メイプルストーリー RMT。本作の説明書で「注目」と表現されるこの概念は,要するに「今,敵が味方の誰を狙っているか」を表す言葉。そして,エルザの特殊能力の一つ「ギャザリング」は,敵からのヘイトを強制的に自身に集める効果を持つのだ。  では,実際に使うとどうなるのかというと,敵が一斉にギョロッとエルザのほうを向いて,求愛行動にも似た強烈なアプローチをしかけてくる。それはもう派手にボコスカ叩かれる
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